2006年度 パッヘ研究奨励金T-A-2(特定研究助成・一般)研究成果報告書

氏名 吉川 洋子 所属 総合政策学部
研究課題 二国間協力ゲーム ―日本・フィリピン賠償総額決定の大詰め交渉―
研究実績の概要
 私の長期研究のひとつは「日比賠償交渉の研究」であるが、過去の拙書「日比賠償外交交渉の研究」において解明しきれなかった対フィリピン賠償の総額決定の大詰め交渉の経緯と政策決定過程について、2年前に公開になった日本外交記録の対フィリピン賠償交渉を2006年度パッヘ1−A−2の補助を受けて、実質的にほぼ解明し、国際会議での報告、論文刊行できたことをここにご報告し、深く感謝したい。
  
1 研究経過
 5月から7月までは外交記録の膨大な数巻を精読するとともに、8月以降は過去の研究との整合、比較、交渉理論への適用と考察、9月に執筆。 紙数が予想以上にのぼる。
2 10月中旬 南山大学紀要「アカデミア」へ「日比賠償総額交渉、1955年1月―5月:瀬戸際の国際協力ゲーム」投稿。
3 日本語論文の脱稿直後から英語論文の要約執筆を開始。
4 2006年11月22日−24日「国際アジア歴史研究者会議」( Nov. 24, 2006 at IAHA、Intercontinental Hotel, Makati, Philippines. 2年ごとにアジアで開催)において
The Japan-Philippine Negotiation over the Reparations Amount Settlement, January to May 1955: The Last Minute Game of International Cooperation. と題して、口頭発表ならびに20頁の要約論文を提出した。 報告時間が制約されていたせいか、質疑応答時間に入ると、質問を集中的に受けることになった。この時、報告者は、フィリピン人歴史学者はじめ、アジアの歴史学者の多くが、日本がかつて戦争賠償を生産物と役務で支払った事実についてまったく無知であることを知らされた。
5 「アカデミア」への論文掲載  2007年1月(第84号 369-419頁)
6 2007年の3月末までに先の英文要約を英語論文に改稿し、フィリピンの学術雑誌または外交研究の国際学術雑誌に投稿する予定である。掲載が決まるのは2007年のいつかになるが、掲載されれば成果物として報告する。
 現状では、日本語論文と同じ内容の英訳論文を発表しても、翻訳は業績としては評価されない。しかし、5で述べたように、アジアや世界に向けても成果の発信をする必要がある。英訳はかなりのエネルギーを要するし、外国学術雑誌に掲載採択されるのは、学内学術誌への掲載にくらべ、競争率などの点からみて評価が高いことなどを考慮して、なんらかの業績評価が与えられるよう改善されることを望みたい。 
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@ 論文題目 「日比賠償総額交渉、1955年1月―5月:瀬戸際の国際協力ゲーム」 @ 書名
雑誌名 『アカデミア』人文・社会科学編 出版社
巻号 第84号 論文名
発表年月 2007年1月 発表年月
ページ pp.369〜419 ページ
著者名 吉川 洋子 著者名
備考   備考  
A 論文題目 “TheJapan-Philippine Negotiation over the Reparations Amount Settlement, January to May 1955: The Last Minute Game of International Cooperation” A 書名
雑誌名 A Paper Presented at the IAHA Conference, in Nov 24 2006 出版社
巻号 論文名
発表年月 November 24, 2006
Paper Presentation
発表年月
ページ 20p. ページ
著者名 Yoko Yoshikawa 著者名
備考   備考  
B 論文題目 B 書名
雑誌名 出版社
巻号 論文名
発表年月 発表年月
ページ ページ
著者名 著者名
備考   備考