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2006年度 パッヘ研究奨励金T-A-2(特定研究助成・一般)研究成果報告書 | |||||
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氏名 | 西江 清高 | 所属 | 人文学部人類文化学科 | ||
研究課題 | 渭河流域における初期王朝時代の集落―GISを利用した遺跡データベースの作成― | ||||
研究実績の概要 | |||||
本研究は,中国陝西省渭河流域(関中平原)を国家の基盤とした中国初期王朝第3王朝である周王朝の成立過程と,王朝中心地(畿内的地域)の地域システムを考察することを目標としている。具体的には渭河流域を対象として,GIS(地理情報システム)による地図基盤を整備し,最近発掘された遺跡や過去数十年間に公表されてきた膨大な遺跡のデータを,そのGIS基盤に関連付け,当該地域における周王朝時代の集落の空間的動態をうかがうことを目指している。したがって本研究は,現地における調査と,現地で取得したデータをデジタル化しGIS基盤として整備する作業とに分かれる。なお本研究は,科研の研究分担(代表者駒澤大学飯島武次),および高梨学術奨励基金研究助成(代表者西江清高)による研究と重なりあうものであり,相互補完的な内容となっている。 現地における調査データとは,第1に遺跡本体のGPSによる位置情報と,遺跡間を移動中にえられたGPS位置情報がある。第2に,各遺跡の属性にかかわる文化的情報(土器などの出土遺物に関する記録が中心となる)がある。 現地調査:調査期間は2006年8月29日から9月6日。調査員は,西江清高(南山大学),渡部展也(中部大学),茶谷満(鳥取県文化財センター),久慈大介(中国社会科学院博士課程大学院生),劉静(北京大学文博学院碩士研究生),徐天進(北京大学考古文博学院),雷興山(北京大学考古文博学院),王占奎(陝西省考古研究所)であった。GPSで旧道沿いのランドマークの位置測定を続け,かつ各集落遺跡ではその集落構造を見きわめながら遺跡中心点を推測してその位置を測定した。走行距離は約3000qに達した。今回踏査した主な遺跡はつぎのようである。@関中平原西部:咸陽市長陵(前漢),岐山県周公廟・趙家台・勧読,鳳翔県水溝・秦公1号大墓(春秋),宝鶏市石嘴頭・闘鶏台,千陽県望魯台。A岐山以北の黄土高原:麟游県蔡家河・後平,長武県碾子坡,彬県大佛寺(唐代),淳化県西梁家。B秦嶺以南:商洛市東龍山・紫荊,C関中平原東部:潼関県潼関遺跡(渭河・黄河合流点)。以上のように,王朝以前の周の中心地の一つである関中平原西部の周公廟遺跡(北京大学の発掘センターがある)をはじめとして,関中平原の西端(宝鶏市)から東端(潼関県)にいたる全域,および関中平原北側河流域の黄土高原と,秦嶺南側の長江水系丹江上流部にいたる範囲を踏査した。このように広域にわたって位置情報を取得したことで,以下に述べるCORONA衛星画像などの幾何補正に必要な基礎的データを整備することができた。 GIS基盤の整備:GIS基盤のベースマップとして位置づけているCORONA衛星画像に対して,地図化するための幾何補正を行った(継続中)。今期は帰国後の後処理により誤差を1m前後としたGPS座標を利用し,補正結果画像の精度が実用的なレベルにあることを確認できた。但し,調査範囲外と,衛星画像に合わせて補正をした範囲では,大きく精度が落ちる事も確認された。基本的に幾何補正では外挿となる画像範囲の精度は悪くなるが,CORONAのセンサーがパノラマである事もあって特に誤差が大きいように見受けられた。精度の改善のために,今後も引き続き広い範囲で万遍無くGPS位置データを取得する必要がある。 画像に関する処理は順調に軌道に乗ったが,遺跡に関する既存の文字データのデータベース化,および環境データの整備は今後に残された大きな仕事である。これらを克服しながら,周王朝中心地の地域システム解明のため努力を続けたい。 |
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「雑誌」の部 | 「図書」の部 | ||||
@ | 論文題目 | 「渭河流域の地理環境と周の遺跡(予定)」 | @ | 書名 | |
雑誌名 | 『アカデミア』 | 出版社 | |||
巻号 | 論文名 | ||||
発表年月 | 発表年月 | ||||
ページ | ページ | ||||
著者名 | 西江 清高 | 著者名 | |||
備考 | 備考 | ||||
A | 論文題目 | A | 書名 | ||
雑誌名 | 出版社 | ||||
巻号 | 論文名 | ||||
発表年月 | 発表年月 | ||||
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著者名 | 著者名 | ||||
備考 | 備考 | ||||
B | 論文題目 | B | 書名 | ||
雑誌名 | 出版社 | ||||
巻号 | 論文名 | ||||
発表年月 | 発表年月 | ||||
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著者名 | 著者名 | ||||
備考 | 備考 |