2006年度 パッヘ研究奨励金T-A-2(特定研究助成・一般)研究成果報告書

氏名 奥村 康行 所属 数理情報学部情報通信学科
研究課題 ブロードバンドアクセスネットワークの最適な構成法とその移行法に関する研究
研究実績の概要
[研究経過]
近年、ブロードバンドアクセスに対する需要が爆発的に増大している。その中で、Fiber to the home(FTTH)は、その高速性により最も魅力的なソリューションとして世界的な注目を集めている。最近では高速インターネットアクセスだけでなく、光アクセスを通して映像配信やvideo on-demand(VOD)のような第二、第三の高速サービスの提供も検討されるようになってきた。特に、PON形態は通信事業者のひとつの通信装置に対して複数のユーザを接続するトポロジーなので、映像配信などの一方向サービスに適している。また、このような複数のサービスを提供するための手段として波長多重を用いるWDM-PONや、10GbitクラスのPONの技術的可能性も検討されるようになった。
そこで、光アクセス網について、新たな装置としてWDM-PONや10GbitクラスのPONをとりあげ、既存のGビットクラスの光アクセス装置からの移行に必要となる設備量やコストについて、とくに、移行シナリオごとに分岐段数や提供するサービス数、各サービスの利用率への依存性を、各装置の最新のコスト傾向を元にシミュレーションを行った。
[研究結果]
1. 分岐段数が複数の場合、全コストに関し、各段での分岐数への依存性を分析した結果、映像サービスの普及率が高まるほど、最適な分岐数も増加することがわかった。たとえば、普及率90%の場合、屋外分岐数を4または8にすることが適切である。
2. WDM-PONと10GbitクラスのPON装置のそれぞれについて、上記の二つの移行シナリオに関するコスト比較を行った。この結果、映像サービス普及率が低い場合は10GbitクラスPONが、高い場合はWDM-PONが経済的であることを明らかにした。たとえば、普及率が44%を越えるとWDM-PONが適していることを明らかにした。
3. 上記の結果、初期段階は10GbitクラスPONを導入し、映像サービスの普及率の高まりに応じてWDMを導入するシナリオを提案した。

以上
「雑誌」の部 「図書」の部
@ 論文題目 “Cost Analysis of Optical Access Network Migration Scenarios to Broadcast Service” @ 書名
雑誌名 IEICE Transactions 出版社
巻号 未定(採録決定済み) 論文名
発表年月 未定 発表年月
ページ 未定 ページ
著者名 Yasuyuki Okumura 著者名
備考   備考  
A 論文題目 A 書名
雑誌名 出版社
巻号 論文名
発表年月 発表年月
ページ ページ
著者名 著者名
備考   備考  
B 論文題目 B 書名
雑誌名 出版社
巻号 論文名
発表年月 発表年月
ページ ページ
著者名 著者名
備考   備考