本研究では,救急車システムを効率化するための基盤となる,救急車に特化した速度付き道路網の構築について考えた.救急車の速度を決定する方法は数多くあり,素朴な方法としては,実際に救急車に乗り込んで速度を測ることが考えられる.しかし,これには多くの手間を必要とするので,われわれは複数地点間の移動時間データ(消防庁への報告義務があるため必ず存在する)と数値地図を用いることにより,統計的に速度を推定する方法を提案した.この方法では消防関係者の手間はほとんど必要ない.実際,われわれは愛知県瀬戸市消防本部に協力を要請し,現実のデータを使用してわれわれの提案する方法が実現可能であることを示した.このような協力を頂いたのも,手間がほとんどかからないことに起因すると考える.この研究成果は下記の研究会で発表し,また査読付き論文などでも評価を頂いている. |
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[研究発表] Keisuke Inakawa, Atsuo Suzuki, “Response Areas for Ambulances Using Network Voronoi Diagram”, INFORMS Internarional, 2006年 6 月, Hong Kong (China), INFORMS, INFORMS Internarional pp. 96. |
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[研究発表] 稲川敬介,古田壮宏,鈴木敦夫、「救急車の配備におけるメディアンとセンター比較」、2006年秋季研究発表会アブストラクト集1-A-10、2006年 9 月、愛知大学、日本オペレーションズ・リサーチ学会、2006 年秋季研究発表会アブストラクト集1-A-10 pp. 22-24。 |
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[研究論文] 稲川敬介,古田壮宏,鈴木敦夫、「複数の速度を持つ道路網データを利用した救急車の配置問題について」(査読あり)、共著、2006年 11 月、『都市計画論文集』、第 41-3 巻、日本都市計画学会、 pp. 259-264。 |
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