本研究は、一方ではキリスト教と仏教との対話を成立させ、他方ではキリスト教と自然科学との対話を可能にする、統合的神学の可能性を模索するための研究である。すなわち、キリスト教と仏教と自然科学のそれぞれにおける知の構造(=パラダイム)に等根源的に跨りながら、三者の間の対話を統合的に司る神学的パラダイムを探すのが、本研究の目的である。
上記のような研究目的を達成するために、本研究は、テーマに関連する研究所(単著および論文)を精読する一方、キリスト教(宗教)と自然科学の対話という研究に携わる研究者を招き、以下のように2回の研究会を開いた。
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1回目:
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日時:2012 年6月15日(金)午後5時〜7時
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場所:南山宗教文化研究所1F会議室 |
講師:稲垣久和氏(東京基督教大学教授・共立基督教研究所所長) |
発表題:科学と宗教の日本的展開:logical negativismからcritical realismへ |
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2回目:
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日時:2012年9月14日(金)午後4時〜6時30分
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場所:南山宗教文化研究所1F会議室 |
講師:芦名定道氏(京都大学大学院文学部教授) |
発表題:キリスト教思想とコミュニケーション合理性──宗教と科学、あるいは宗教間
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また、こうした研究成果を国内外の学会において発表して、研究者らとの議論を重ねた(ヨーロッパ宗教学会European Association for the Study of Religions, 2012年8月23〜26日、Sodertorn University, Sweden; 日本カトリック神学会, 2012年9月10日〜11日、南山大学)。日本カトリック神学会における発表文は、同学会の学会誌『日本カトリック神学会誌』第24号(2013年8月発刊予定)に掲載されることになった。
さらに、この研究成果をまとめた論文を、『南山神学』(36号、2013年3月発刊予定)に掲載されることにした。
本研究は、キリスト教と宗教と自然科学を「統合」することができる神学的パラダイムについての研究をさらに進めるための、基礎研究になったと思われる。
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