2012年度 パッヘ研究奨励金T-A-2(特定研究助成・一般)研究成果報告書

氏名 鈴木 貴之 所属 人文学部人類文化学科
研究課題 自由意志と道徳的責任にかんする実験哲学研究とその 理論的基礎の考察
研究実績の概要
 本研究の目的は、質問紙調査の手法を用いてわれわれが人々の行為とその道徳的責任についてどのように考えているかを明らかにし、また、そのような調査研究の結果が、自由意志や道徳的責任をめぐる伝統的な哲学の問題にどのような意味を持つのかを理論的に考察することにあった。
 調査研究にかんしては、2011年7月に実施した前回の調査の結果をふまえて、2012年4月に第2回の調査を、2012年10月には第3回の調査を実施した。調査の対象は本学学部生(任意参加)であり、第3回の調査では調査サービスウェブサイトを利用した調査を試みた。調査の結果については、統計分析ソフトSPSS等を用いて分析を行った。また、これらの作業と並行して、自由意志と道徳的責任をめぐる実験哲学研究の文献研究もすすめた。その結果、われわれの自由意志にかんする判断は意図にかんする判断と密接に関連しているが、自由意志にかんする判断と道徳的責任にかんする判断には強い連関はないというとが明らかになった。この研究成果は、自由意志は道徳的責任の基盤として働くがゆえにわれわれの世界観にとって重要であるという、哲学における自由意志論の大前提について再考る必要があることを示唆している点で、哲学における自由意志論にとって重要な意味を持つと考えられる。
 以上の研究の成果は、すでに次の3つの形で発表されている。@2012年6月に米国コロラド大学で開催されたSociety for Philosophy and Psychologyで"Do we really have the concepts of free will and Responsibility?"という題で発表を行った。A2012年9月に英国ノッティンガム大学で開催された Workshop: Intuitions, Experiments, and Philosophyでポスター発表を行った。B2012年11月に米国ブラウン大学で"How we judge on Free Will and Moral Responsibility"という題で講演を行った。2013年度には、これらをまとめた学術論文を公刊する予定である。
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@ 論文題目   @ 書名  
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A 論文題目   A 書名  
雑誌名   論文名  
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B 論文題目   B 書名  
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備考   備考