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2012年度 パッヘ研究奨励金T-A-2(特定研究助成・一般)研究成果報告書 |
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氏名 |
楠本 和彦 |
所属 |
人文学部心理人間学科 |
研究課題 |
制作者の主観的体験に基づいた箱庭療法の促進要因に関する質的研究 |
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研究実績の概要 |
研究課題に関して、文献研究を行い、以下の2論文を公刊した。それぞれの研究結果の概要について、記載する。 |
1) 「箱庭制作過程・説明過程に関する調査研究についての文献研究」
本稿では、箱庭制作過程・説明過程に関する調査研究の先行研究のレビューを行い、それらと筆者の一連の研究(楠本、2011、楠本、2012、楠本、投稿中)を比較することにより、筆者の研究のオリジナリティ、限界、今後の課題について、検討することを目的とした。はじめに、一連の筆者の研究の調査方法、分析方法、研究結果および考察の概要を記した。
次に、箱庭療法において、制作者の主観的体験に焦点を当てることの意義について、確認した。続けて、箱庭制作過程と説明過程における、制作者の主観的体験に関する先行研究を概観した。先行研究との比較から、一連の筆者の研究のオリジナリティ、限界、今後の課題について、検討した。オリジナリティは、通常の箱庭療法にできるだけ近い状況で収集した、継続した箱庭制作面接における制作者の主観的体験のデータによる研究という点にあった。今後の課題としては、a)M-GTAによる詳細な分析が、一部の領域に留まっており、箱庭療法を巡る全体的な領域の知見を得るためには、未分析の領域のデータを分析する必要があること、b)現状では、調査参加者一人のデータだけの分析に留まっており、もう一人のデータを加え、生成した理論を精緻化し、一般化の可能性をより高める努力が必要であること、の2点であった。
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2) 「箱庭制作者の主観的体験に関する研究法についての検討 ―多元的方法・方法のトライアンギュレーション、M-GTAを中心に― 」
本稿では、筆者が実施した箱庭制作者の主観的体験に関する研究法について、多元的方法・トライアンギュレーションの観点、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチによる分析の観点から、検討することを目的とした。
その両観点から、一連の筆者の研究(楠本、2011、楠本、2012、楠本、投稿中)と先行研究を比較検討した。検討により、研究法における、筆者の研究のオリジナリティは、同一データに対してM-GTAと単一事例質的研究という2種の異なる質的研究法により、多角的、総合的にデータを分析し、知見を得ている点であった。異なる質的研究法を併用することにより、単一の方法では、明らかにすることが困難であった観点から分析することが可能になり、総合的な考察が可能になったことが確認された。
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「雑誌」の部 |
「図書」の部 |
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論文題目 |
箱庭制作過程・説明過程に関する調査研究についての文献研究 |
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書名 |
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雑誌名 |
人間関係研究 |
論文名 |
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巻号 |
第12号 |
出版社 |
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発行年月 |
2013年3月25日 |
出版年月 |
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ページ |
pp.54-70 |
ページ |
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著者名 |
楠本和彦 |
著者名 |
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備考 |
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備考 |
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A |
論文題目 |
箱庭制作者の主観的体験に関する研究法についての検討 ―多元的方法・方法のトライアンギュレーション、M-GTAを中心に― |
A |
書名 |
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雑誌名 |
人間関係研究 |
論文名 |
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巻号 |
第12号 |
出版社 |
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発行年月 |
2013年3月25日 |
出版年月 |
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ページ |
pp.71-94 |
ページ |
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著者名 |
楠本和彦 |
著者名 |
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備考 |
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備考 |
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B |
論文題目 |
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B |
書名 |
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雑誌名 |
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論文名 |
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巻号 |
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出版社 |
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発行年月 |
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出版年月 |
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著者名 |
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著者名 |
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備考 |
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備考 |
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