2012年度 パッヘ研究奨励金T-A-2(特定研究助成・一般)研究成果報告書

氏名 平川 武仁 所属 人文学部心理人間学科
研究課題 非線形力学系解析による漕艇技能の解明
研究実績の概要
 2012年7月31日付にて、パッヘI-A-2申請書の研究内容について、研究審査委員会から承認を得ることができたので、その後、測定参加者を募集し、11月中旬から12月上旬にかけて測定を行った。16名の測定参加者に協力を得ることができた。解析は測定と同時並行で開始し、現在も進行している。年度内に全ての結果が得られる計画で進めている。
 測定実施方法では、測定課題がローイングマシン上での漕運動1000mのタイムトライアルであった。漕手が固定マシンと浮動マシンの2条件で実施することを課題とし,その漕動作をそれぞれビデオカメラによって撮影した。漕手の身体部位5か所(右肩峰、右大転子、右外果)とマシン3か所(ハンドル右側、シート右側、ファン右側中心)に貼った赤外線反射マーカを抽出点として、身体関節とマシンの実空間座標データを動作解析ソフトウェアによって取得した。
 結果を得るための解析方法では、まず座標データのノイズを、Butterworth low pass filterで除去し、上記の3つの変位(脚の伸展、体幹の傾斜角度、ハンドルの前後移動)を算出した。遮断周波数の決定では、残差分析法を用い、実験参加者の矢状面上の鉛直・水平方向での各座標の遮断周波数は1.5〜2.1Hzであった。このデータを用いて、時間遅れτを平均相互情報量(Mutual information)、埋め込み次元を誤り最隣接(False nearest neighbors)法によって推定し、状態空間内でアトラクタを再構成した。このアトラクタに対して、再帰定量化解析(Recurrent quantification analysis)を適用し、系の決定論的挙動を決定率(%DETER)、軌道安定性を再帰率(%RECUR)と最大線長(MAXLINE)で推定している段階である。今後、これらの各漕手の再帰率、決定率、最大線長のデータを使って、2要因(技能2水準×マシン2水準)分散分析で解析することによって、技能と環境との関係性について定量的解析をすすめていく計画である。
 2013年度中の論文受理を目標として、現在、序論と方法を執筆している。解析によって得られた結果と、その考察を加筆し、投稿論文としてまとめていく所存である。
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