2012年度 パッヘ研究奨励金T-A-2(特定研究助成・一般)研究成果報告書

氏名 泉水 浩隆 所属 外国語学部スペイン・ラテンアメリカ学科
研究課題 スペイン語平叙文および疑問文イントネーションの知覚に関する実験音声学的研究
研究実績の概要
 本研究では、2011年度「パッヘ研究奨励金T−A−2」で扱った日本人スペイン語 学習者のイントネーションに知覚に関する問題を、今度はスペイン語母語話者との比較を念頭に置いて、同様の視点から、実験音声学的に分析することを目的とした。今回も引き続き、2011年度の実験の際に用いた @ 平叙文、A 上昇調疑問文、B下降調疑問文、C句末の4つのパターンを基に作成した刺激音を使用し、既に手元にある 日本人学習者の実験データとスペイン語母語話者による実験データを比較し、どのパターンの認識に困難が生ずるか、日本人学習者とスペイン語母語話者の知覚・認識の程度に差異があるかどうか、あるとすればどのような点に差異が観察されるかを検討したいと考えた。
 知覚実験では、上記の4つのパターンを含む刺激を、(a) 特に加工を施さない場合、 (b) 韻律的情報のみを残すように音声分析用ソフトウェアで加工して聞かせた場合、 (c)文頭・文中・文末のいずれかの部分をホワイトノイズで聞こえないよう音声分析用ソフトウェアで加工して聞かせた場合の3条件を用意し、各ケースでどのような反応が見られるか分析した(なお、今回の分析では、スペイン・サラマンカで2012年9月に26名の被験者を対象として行った実験以前に、スペイン語母語話者84名を対象として実施した実験データを主として用いた。前者のデータは、2012年9月にGironaで開催された Asociacion para la ensenanza del espanol como lengua extranjera (ASELE) における発表で、簡単に触れたが、詳細な分析は今後行う予定である)。
 その結果、(1) 日本人学習者・スペイン語母語話者、いずれも、上記 (a), (b) の条件下では、平叙文、上昇調疑問文に対する正答率は高い、(2) しかし、下降調疑問文と句末の正答率は、スペイン語母語話者に比べ、日本人学習者は低くなる、(3) 日本人被験者は、文のタイプを判断するのにほぼ文末の動きのみをキューとして用いている一方、スペイン語母語話者は、まず文末の動きをキューとして用い、次にそれ以外の情報源をキューとして用いているのではないかということを示唆する結果が得られた。
「雑誌」の部 「図書」の部
@ 論文題目 “Estudio experimental sobre la percepcion comparada de la entonacion del espanol entre hablantes nativos y estudiantes japoneses” @ 書名  
雑誌名 Actas del XXIII Congreso Interna- cional ASELE 論文名  
巻号 23 出版社  
発行年月 2013年9月頃(予定) 出版年月  
ページ 未定 ページ  
著者名 Hirotaka Sensui 著者名  
備考 2013年9月頃予定 備考  
A 論文題目   A 書名  
雑誌名   論文名  
巻号   出版社  
発行年月   出版年月  
ページ   ページ  
著者名   著者名  
備考   備考  
B 論文題目   B 書名  
雑誌名   論文名  
巻号   出版社  
発行年月   出版年月  
ページ   ページ  
著者名   著者名  
備考   備考