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2012年度 パッヘ研究奨励金T-A-2(特定研究助成・一般)研究成果報告書 |
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氏名 |
大庭 弘継 |
所属 |
総合政策学部総合政策学科 |
研究課題 |
保護する責任の実践に関する研究:リビア介入を事例として |
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研究実績の概要 |
近年、国際政治学における倫理的タームとして注目される「保護する責任」の実践によって生じる問題と限界を、リビアへの軍事介入を事例として明確化した。「保護する責任」は、人々の保護を目的とした軍事介入を許容する概念である。この概念は、2005年に国連が依拠する公式の原則として承認されたのちも2011年のリビア介入に至るまで事例が存在せず、いわば人々の想像を掻き立てるだけのタームであった。しかしながら、魔法の言葉は存在しない。「人々を救う」というイメージだけが先行しているが、軍事介入は民間人の犠牲も必然的に引き起こすのであり、救う人々が存在する一方で犠牲とする人々が存在するという問題について十分な検証と検討がなされていなかった。よって保護する責任を責任ある概念とするため、問題と限界を明瞭にすることが本研究の目的であった。
具体的な研究経過としては、まずパッヘ研究奨励金に基づいた個人研究として本研究を進めると同時に、同じくリビア介入に問題関心を抱く研究者を集め、2012年6月に本学においてリビア介入に関する研究会を実施し、拙稿をも含めて南山大学社会倫理研究所の『社会と倫理』に特集号として研究成果を公刊した。
パッヘ研究奨励金に基づく研究結果の概要は以下のとおりである。リビア介入は、人々を保護するという目的を掲げてはいたが、実際には消極的な介入に終始した。というのも介入軍によるコラテラル・ダメージ(民間人への付随被害)を忌避したためである。しかしその結果、戦闘は長期化し、死者や難民の増加という形で、理想的な保護からは程遠い状況であった。しかもコラテラル・ダメージを忌避するという行動様式は、悪い意味での教訓を残すこととなった。つまり「人間の盾」に類似した戦法を用いて介入軍に対して抵抗を続ければ、介入軍は積極的な攻撃を加えない、というテロリストや虐殺者たちへの教訓である。
以上のように、本研究はリビア介入の成果に関して批判的な検討を加えることで、単に介入への賛否に終始してしまいがちな保護する責任を巡る議論を一歩前進させることができたと考える。 |
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「雑誌」の部 |
「図書」の部 |
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論文題目 |
「保護するべき人々を犠牲に供する」というアポリア |
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書名 |
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雑誌名 |
『社会と倫理』 |
論文名 |
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巻号 |
第27号 |
出版社 |
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発行年月 |
2012年10月 |
出版年月 |
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ページ |
59-91 |
ページ |
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著者名 |
大庭弘継 |
著者名 |
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備考 |
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備考 |
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A |
論文題目 |
緒言 保護する責任の実践―― NATOによるリビア介入を事例に |
A |
書名 |
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雑誌名 |
『社会と倫理』 |
論文名 |
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巻号 |
第27号 |
出版社 |
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発行年月 |
2012年10月 |
出版年月 |
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ページ |
1-7 |
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著者名 |
大庭弘継 |
著者名 |
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備考 |
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備考 |
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B |
論文題目 |
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B |
書名 |
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雑誌名 |
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論文名 |
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巻号 |
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出版社 |
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発行年月 |
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出版年月 |
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著者名 |
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著者名 |
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備考 |
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備考 |
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