2012年度 パッヘ研究奨励金T-A-2(特定研究助成・一般)研究成果報告書

氏名 沢田 篤史 所属 情報理工学部
研究課題 確率モデルに基づくソフトウェアテスト支援の研究
研究実績の概要
本研究では,我々がこれまで研究してきた確率的言語モデルに基づくソフトウェア解析の技術を,テストをはじめとする検証技術へ展開させ,知的なテスト支援環境を構築することを狙い,基礎的な研究を行った.
具体的には当初予定した研究計画に基づき,次の各項目について連携を図りながら研究を遂行した.
ソフトウェアの検証技術・保守技術に関する研究動向調査
ソフトウェア検証の技術や,それを含むソフトウェア保守や進化の研究に対する内外の最新研究動向についての網羅的な調査を行った.その結果の一部は,研究成果としての各論文において関連研究として参照している.
コンテキストの解析手法と形式検証の研究
検証対象ソフトウェアにおけるコンテキストを表現するためのモデルを構築するに当たり,モバイルおよびユビキタス分野のアプリケーションソフトウェアを題材に事例調査と研究を行った.コンテキストモデルは,アプリケーション層,ミドルウェア層,およびネットワーク層からなる階層で表現し,それぞれに確率的な振舞いを含む環境のコンテキストを想定した.その上で各層を統合するメタアーキテクチャを設計し,形式手法を用いてテストする方法論の開発に取り組んだ.その成果は,電子情報通信学会ソフトウェアサイエンス研究会にて発表した.
ツール化の検討
前項の検討結果に基づき,形式手法を用いたテスト設計支援ツールの実装方法について検討した.前項のメタアーキテクチャ設計結果を前提に,コンポーネントおよびコンポーネント間のインタフェースを統合的に検証する方法論について検討した.その成果を,情報処理学会組込みシステム研究会において発表した.また,メタアーキテクチャ上に展開されるミドルウェア層の基本設計については,情報処理学会ソフトウェア工学研究会において発表した.今年度の研究では,ツールの具体像まで明らかにすることはできなかったので,今後の重要な研究課題として次年度以降に取り組む.
「雑誌」の部 「図書」の部
@ 論文題目 ネットワークの振る舞いに依存するシステムへの形式手法の適用の検討 @ 書名  
雑誌名 電子情報通信学会技術研究報告
(ソフトウェアサイエンス)
論文名  
巻号 112/275 出版社  
発行年月 2012年11月 出版年月  
ページ 35-40 ページ  
著者名 吉田信明,張漢明,沢田篤史,中村行宏 著者名  
備考   備考  
A 論文題目 並行システム記述におけるフォールトパターンに関する考察 A 書名  
雑誌名 電子情報通信学会技術研究報告
(ソフトウェアサイエンス)
論文名  
巻号 112/275 出版社  
発行年月 2012年11月 出版年月  
ページ 41-46 ページ  
著者名 張漢明,野呂昌満,沢田篤史,横森励士,吉田敦,蜂巣吉成 著者名  
備考   備考  
B 論文題目 SOAに基づくシステムのためのアプリケーションプラットフォームのプロダクトライン化に関する研究 B 書名  
雑誌名 情報処理学会研究報告
(ソフトウェア工学)
論文名  
巻号 2013-SE-179/25 出版社  
発行年月 2013年3月 出版年月  
ページ 1-6 ページ  
著者名 江坂篤侍,野呂昌満,沢田篤史 著者名  
備考   備考  
C 論文題目 アーキテクチャ指向開発における形式手法適用に関する考察 C 書名  
雑誌名 情報処理学会研究報告
(組込みシステム)
論文名  
巻号 2013-EMB-28/11 出版社  
発行年月 2013年3月 出版年月  
ページ 1-6 ページ  
著者名 張漢明,野呂昌満,沢田篤史,吉田敦,蜂巣吉成 著者名  
備考   備考