2012年度 パッヘ研究奨励金T-A-2(特定研究助成・一般)研究成果報告書

氏名 市川 朗 所属 情報理工学部
研究課題 人工衛星のフォーメーションフライト
研究実績の概要
人工衛星の相対運動方程式は、主衛星の軌道が円軌道であるか楕円軌道であるかによってそれぞれHill-Clohessy-Wiltshire (HCW)方程式(時不変系)、Tschauner-Hempel(TH)方程式(周期系)となる。TH方程式の周期解は、複雑な形状であるため、ミッションによりHCW方程式の楕円軌道のような単純な軌道へのフォーメーションが求められる。また、周期解の周期は、主衛星の軌道周期に一致するため、短時間のミッションには不都合となる。本研究では、出力レギュレーション理論に基づくアクティブフォーメーションを提案し、周期の短い単純な形状の相対軌道へのフォーメーション理論を構築した。また、シミュレーションにより、その燃費の解析を行った。
その結果、円軌道の場合は、出力レギュレーションにより通常のフォーメーションの結果が再現できること、アクティブフォーメーションでは、燃費が参照軌道の角速度とともに、増加すること、軌道維持の燃費は、フィードバックに依存しないこと、離心率が0.3程度までは、円軌道と楕円軌道の場合の差がないことなどが明らかになった。この結果は、AIAA Journal of Guidance, Control, and Dynamicsに投稿し、掲載決定となっている。 さらに、この手法を太陽・地球・宇宙機の円制限3体問題へ拡張し、ラグランジュ点近傍のハロー軌道にそったフォーメーションの提案を行った。ハロー軌道は不安定であるため、その近傍のフォーメーション手法が確立されていない。ハロー軌道の初期値の近似値は数値計算で求まるが、その初期値による応答は、数周期で発散し、周期解とならない。この研究では、第1周期目の軌道をハロー軌道(周期軌道)とみなし、その維持を可能とするフィードバック制御を確立した。フォーメーションの参照軌道は、その近傍の周期解とし、それを維持する制御法を提案した。数値シミュレーションにより、ハロー軌道から15km程度のフォーメーションでは、燃費を小さく抑えることができることを示した。この結果は、第23回 International Symposium on Space Flight Dynamics(2012.10 Pasadena)で発表をおこなった。さらに、連続制御をより現実的なインパルス制御に変更した場合の考察を行い、その成果を第23回 AAS/AIAA Spaceflight Mechanics Meeting(2013.2 Hawaii)で発表した。
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@ 論文題目 Active formation flying along An elliptic orbit @ 書名
雑誌名 Journal of Guidance, Control, and Dynamics 論文名  
巻号 Vol.36, No. 1 出版社  
発行年月 2013.1 出版年月  
ページ pp.324-332 ページ  
著者名 M. Bando and A.Ichikawa 著者名  
備考 備考  
A 論文題目   A 書名  
雑誌名   論文名  
巻号   出版社  
発行年月   出版年月  
ページ   ページ  
著者名   著者名  
備考   備考  
B 論文題目   B 書名  
雑誌名   論文名  
巻号   出版社  
発行年月   出版年月  
ページ   ページ  
著者名   著者名  
備考   備考