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2012年度 パッヘ研究奨励金T-A-2(特定研究助成・一般)研究成果報告書 |
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氏名 |
後藤 明 |
所属 |
人文学部人類文化学科 |
研究課題 |
人類社会の常態としての移動の再検討――オセアニア航海民とディアスポラ仮説―― |
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研究実績の概要 |
本研究は現世人類の移動という現象について、それは異常なことではなく、むしろ常態であったという問題意識のもと、オセアニアや日本列島への人類の移住や度重なる到来についてフィールドワーク、博物館資料と文献研究によって明かにしたものである。とくに本研究は今まで継続して行ってきたオセアニア航海民の海上移動について新しい側面を開拓するものである。オセアニアのポリネシア人の移動に関しては農耕の伝播、人口圧、エルニーニョなどの気候変動から受動的な説明がされてきたが、この研究では人類が移動するあるいは転地することの意味を改めて問うことを目的とする。そのためにオセアニアの航海に関する民族資料、すなわちカヌーや航海に使われるスターチャートなどの民具、航海にまつわる神話やチャントについて検討し、ポリネシア人はどこかにすでに成立した集団として存在しポリネシアに移住したのではなく、絶えざる移動の過程でその文化的特徴を獲得したという視点で分析した(図書@)。
さらにさらに日本古代においてもオセアニア民族学で提起された「外来王」の概念を作業仮説として古代王権の成立について考察した(雑誌@)。具体的にはフィンランドの民族学者シイカラの唱える「カヌー・家屋象徴論」と英国の考古学者イアン・ライリーが唱える「ラピタ文化=ディアスポラ」説を再検討した上で日本の神話における「神世」の時代から神武天皇以降の神話における「海」の意味の変容について考察した。
助成金の使途であるが、旅費についてはドイツのフランクフルト、ケルン、ゲッッティンゲン大学の民族学博物館、およびスイスのベルン歴史博物館においてオセアニアの民族資料を実見した。これらの博物館にはオセアニアの航海に関する民具の他に、英国のクック艦長が収集したハワイやタヒチのファーストコンタクトの資料が展示してあり、論文制作にきわめて参考になるところが多かった。
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「雑誌」の部 |
「図書」の部 |
@ |
論文題目 |
海から来たる王者――記紀神話に見る古代日本の海景観 |
@ |
書名 |
ポリネシア人とヒューマン・ビカミングの旅 |
雑誌名 |
アジア遊学 |
論文名 |
旅のはじまりと文化の生成 |
巻号 |
158 |
出版社 |
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発行年月 |
2012年12月 |
出版年月 |
2013年1月 |
ページ |
42−54 |
ページ |
170-187 |
著者名 |
後藤 明 |
著者名 |
後藤 明 |
備考 |
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備考 |
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A |
論文題目 |
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A |
書名 |
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雑誌名 |
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論文名 |
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発行年月 |
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出版年月 |
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備考 |
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B |
論文題目 |
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発行年月 |
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出版年月 |
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著者名 |
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備考 |
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備考 |
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