|
・ |
医療サービス供給データの作成:医療サービス供給側(病院)の実態調査のため、DPC(診断群分類包括評価)に参加している愛知県内と神奈川県内の病院を対象に、病院の基礎データ(病床数、医師看護師数等)や17の診断分類(神経系、眼科系、耳鼻咽喉科系、呼吸器系、循環器系、消化器系、筋骨格系、皮膚系、乳房系、内分泌系、腎・尿路系、女性生殖器系、血液系、新生児系、小児系、外傷系、精神系)別の患者数等のデータを(株)ケアレビューが運営する情報提供サイト「病院情報局」より収集した。 |
・ |
患者データ(需要データ)の作成:医療サービスの地域格差を把握するために、神奈川県全域における町丁目ごとの人口分布を調査した。 |
・ |
アクセシビリティ指標の計算:河端[1]によって提案されたアクセシビリティ指標の計算方法に従って、神奈川県全域における診断分類別アクセシビリティを計算し視覚化した。 |
・ |
アクセシビリティの評価方法の再検討:上記で求めたアクセシビリティを用いて評価する際の問題点について検討し、新しい評価方法として診断分類別の病床受給バランスモデルを提案した。 |
・ |
計算実験および結果の分析:診断分類別病床受給バランスモデルを用いて、神奈川県全域の町丁目ごとに評価値を計算し視覚化した。また、河端モデルを用いた場合の結果との比較を行った。提案するモデルでは、アクセス可能な病院までの限界距離を所与として実際的な病床の割り当てを求めることができる。連続的に評価値が変化する結果となり、実質的な医療圏に類するものを視覚化することができた。 |
・ |
研究成果の発表:成果の一部を[2,3]で発表した。今後は、愛知県を対象として同様の分析を行う予定である。 |
[1] 河端瑞貴: 待機児童と保育所アクセシビリティ―東京都文京区の事例研究―,応用地域学研究,15,1-12,2010.
[2] 佐々木美裕, 鵜飼孝盛: 病院アクセシビリティを用いた疾病別受給バランスの視覚化, オペレーションズ・リサーチ, 58(11), 621-627, 2013.
[3] 鵜飼孝盛, 佐々木美裕: 疾病分類別の病床受給バランスの地域的分布, 日本オペレーションズ・リサーチ学会2014年春季研究発表会アブストラクト集, pp.176-177, 2014.
|
|