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<経過> |
本研究は、第二言語(外国語)の学習と教育に対してその指針を示した代表的モデルである欧州言語共通枠組み(CEFR)、ACTFL米国外国語スタンダード、JF日本語能力スタンダードなどを精査することにより、それらに共通する第二言語の運用能力観を再検討することである。これらのモデルは、単に目標言語について「知っている」ということはその言語が運用できると言うことは別のものとして捉え、いわゆる、“Can-do-statements”に代表される遂行能力観を最も大切なものとしている。そして、それを育むものは教室外、あるいは、目標言語が生活上使われている目標言語文化圏が最適の学習環境を提供すると考えているようだ。本研究はそのことに警鐘を鳴らす意味で、米国外国語教育協会が作成したACTFL Proficiency Guidelines、欧州共通言語枠組み(CEFR)やそれをモデルに作成されたJF日本語スタンダード(国際交流基金)と日本語能力試験を精査し、第二言語の運用能力を育む最も妥当な環境を模索する。そのため、以下の研究計画を立て、それを実行した。 |
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<研究計画> |
1. |
昨年刊行された2012 ACTFL Proficiency Guidelines (ACTFLプロフィシェンシー基準)を再検討する。 |
2. |
欧州共通言語枠組み(CEFR)の中身の再検討を行う。 |
3. |
JF日本語スタンダード(国際交流基金)、日本語能力試験で使用されている“Can-do-statements”の中身を精査し、それらが日本語の学習環境とどのような関わりを持つかを検討する。 |
4. |
上記3項目を併せ、外国語運用能力の規定を学習環境の役割から捉え直し、より妥当性の高い運用能力の規定を試みる。 |
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<成果> |
上記の研究計画にしたがって、研究活動を行い、カナダ日本語教育協会と欧州日本語教師会(マドリッド)で研究発表を行った。そして、その成果を論文としてまとめ、次ページで述べる学術誌で採用、公開された。 |
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