本年度は、「ことばと心」について、四点を目的として研究を進めた。 |
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記述的妥当性を追求し、中谷友美氏が収集した日本語を母語とするゆうた(研修生中谷友美氏の実子)データベースを、ビデオをみながら確認作業をおこなった。データはDVDにおいて整理され、1;06‐1;07について確認しながら、データベース精緻化をおこない500ページにまとめた。
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理論的妥当性を追求し、得られたデータをもとに、幼児はどのように文構造を獲得するか、また格と構造の獲得から理論的にどのような帰結が得られるかについて考察し、論文にまとめた。その結果を『日本語文法13号』(くろしお出版)と国立国語研究所プロジェクトレビュー(NINJAL REVIEW 第4巻)に研究論文としてまとめ、発表した。
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書籍の執筆にもとりかかることができた。今年度から、従来の研究成果をまとめつつ、「ことばと心」の関係について、文法、獲得、障碍、文産出、文理解、方言、わかものことばなどの観点からも広く考察を広げ整理し始めている。今後、私自身の研究テーマである「ことばと心」について、南山の教育現場において広く学部生を対象として教えることができることをめざし、また広く社会に還元できるようになるためにも、正確で最新の研究をまとめることをめざしながら、書籍(『ことばとこころ』みみずく舎・医学評論社)の第一稿を2013年2月18日に仕上げている。これについては、来年度も継続して、執筆校正を続けてまいる所存である。
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口頭発表としては、今年度は、外部資金『国立国語研究所・理論・構造系列・共同プロジェクト領域指定型』において文法と言語獲得に関するプロジェクトの代表者として成果発表をおこなった。ここでの内容の一部は、本年度の奨励金で研究した内容も含まれている。
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