2013年度 パッヘ研究奨励金T-A-2(特定研究助成・一般)研究成果報告書

氏名 泉水 浩隆 所属 外国語学部スペイン・ラテンアメリカ学科
研究課題 日本人学習者のスペイン語疑問文イントネーションの発話に関する実験音声学的研究
研究実績の概要
 過去2年にわたり、「パッヘ研究奨励金」を受けて行ってきた研究では、スペイン語イントネーションの知覚について、スペイン語母語話者および日本人スペイン語学習者を対象に分析を進めてきた。その過程で、一般にスペイン語は日本人にとって発音が容易な言語と言われているにもかかわらず、日本人スペイン語学習者の音声面を対象とした先行研究の中には、それを批判的・実証的に考察した研究が極めて限られていることに気付いた。そこで今回は、スペイン語を学ぶ日本人学習者の発話を実際に録音し、スペイン語母語話者の発話と比較しながら、特にイントネーションの面に焦点を当てて、その問題点を実験音声学的に分析したいと考えた。
 音声の録音に際しては、1名のスペイン語母語話者およびスペイン語を専攻言語として学習する21名の日本人学習者に協力を依頼し、25個の平叙文および22個の疑問文を読み上げてもらった。今回はケーススタディとして、上記インフォーマントのうち、スペイン語母語話者と、性別・スペイン語学習期間・スペイン語圏長期滞在経験の有無の基準により抽出した4名の日本人学習者による発話を分析対象とした。これらのインフォーマントから採取された音声のうち、平叙文・疑問文ともに同じ語彙要素・語順を持つ7組の発話におけるイントネーション曲線を音声分析ソフト Praatを用いてグラフ化し、それを比較検討した。
 その結果、日本人学習者の発話においては、スペイン語母語話者には見られない特徴が共通して見られた。例えば、疑問文文末の上昇の度合いが緩いこと、最初のピッチの頂点が早く現れること、疑問文においてピッチ変動の幅が狭いこと、非強勢語が連続した時に「上昇−下降」のパターンが見られること、などである。こうした問題点が日本人学習者の発話において一般的に観察されることなのかどうか、スペイン語母語話者にはどう聞こえているのか、また、これらを発音教育の場でどのように指導していくかについては今後さらに検討していきたい。
  なお、この結果については、『アカデミア』文学・語学編第96号で報告する。
「雑誌」の部 「図書」の部
@ 論文題目 「日本人スペイン語学習者の発話における韻律的特徴に関するケーススタディ」 @ 書名  
雑誌名 『アカデミア』文学・語学編 論文名  
巻号 第96号 出版社  
発行年月 2014年6月頃(予定、印刷中) 出版年月  
ページ 未定 ページ  
著者名 泉水 浩隆 著者名  
備考 2014年6月頃予定。
但し、3校責了で原稿提出済
備考  
A 論文題目   A 書名  
雑誌名   論文名  
巻号   出版社  
発行年月   出版年月  
ページ   ページ  
著者名   著者名  
備考   備考  
B 論文題目   B 書名  
雑誌名   論文名  
巻号   出版社  
発行年月   出版年月  
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著者名   著者名  
備考   備考