<研究経過>
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1年を通してデータ収集・整理を行った。当初、想定していなかった高度な統計分析モデルが有効であると考えられたことから、分析に必要となる統計ソフトを購入した(不足分2400円分は個人負担)。10月から1月にかけて、計算と論文の執筆・校正を繰り返し、成果物を書き上げた。 |
<研究成果> |
社会的責任ファンドが社会的責任を果たす活動を行っている企業の株式を保有することで、持続性のある企業活動を後押ししている。このような活動を支える資金は資本市場から調達されている。本研究では企業活動のうち、社会的責任にかかる活動に注目し、この活動にかかる資金調達コストを社会的責任ファンドのリスクプレミアムから明らかにした。その手法はリスクプレミアムをリアルオプションとしてモデル化することで持続性のある企業活動を支える資金に対する投資家のファクターを間接的に評価している。このコストが株式市場全体の指標であるTOPIX比べてどのような水準にあるかについて調べ、このような活動に資金が潜在的に流通する要因があるのかどうかについて明らかにした。こうした活動は長期的な資産運用に対する方向性を示唆するものと考えられる。
2013年3月発刊予定の南山経営研究28-3に論文「企業の社会的責任活動とその資本コスト」が最終成果物として掲載される予定である。
その要旨は以下の通りである。
社会的責任ファンドは、社会的責任を果たす活動を行っている企業の株式を保有することで、持続性のある企業活動を後押ししている。このような活動を支える資金は資本市場から調達されている。本研究では、ポートフォリオを構築することで資金調達コストを間接的に推定することが可能となり、持続性のある企業活動を支える資金に対する投資家のリスクプレミアムを複製できることを示す。こうした企業の資本コストが平均的な企業(市場の平均)の活動と比べてどのような水準にあるかについて調べることによって、社会的責任活動に資金が潜在的に流通する要因があるのかどうかについて明らかにすることを試みる。こうした活動は長期的な資産運用に対する方向性を示唆するものと考えられる。 |
<用途変更報告書> |
用途変更報告書を参照。 |
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