2013年度 パッヘ研究奨励金T-A-2(特定研究助成・一般)研究成果報告書

氏名 池田 亮一 所属 ビジネス研究科ビジネス専攻
研究課題 消費財を2財に拡張したCCAPMによる利子率の期間構造に関する理論と実証研究
研究実績の概要
本研究は2年ほど前から本格的に始めた「2財に拡張した消費CAPMに関する研究」は,今年度,理論的な側面に関する考察を終え実証研究に取り掛かることができ,理論・実証とも大きな成果が得られたと自負している.
今年度最大の成果と考えているのは,代表的投資家がEpstein-Zin型効用関数で表される選好関係を持つときの確率的割引ファクター)を,経済学的に解釈可能な形で解析的に求めることが出来たことである.これまでEpstein-Zin型効用関数のもっとも知られた特徴と言えば,投資家のリスク回避度と異時点間の消費の代替弾力性を分離してインプットできることであったが,それ以外の特徴については効用関数自体が再帰的に定義され複雑な関数であることもあり具体的な特徴は捉えにくく,将来の不確実性をどのように価格付けする投資家を仮定しているのか直観的に理解することができなかった.今回執筆した”The Term Structure of Interest Rates in a Two-Good Consumption-Based CAPM”では,価格配当比率の対数値を状態変数の平均値の周りで1次近似することにより,確率的割引ファクターが状態変数とショックに関する関数として解析的に求めることができた.これにより,リスク回避度が高い投資家を仮定したとき選好関係をEpstein-Zin型効用関数で表現される投資家はファンダメンタルズの持続性が高い消費系列をより嫌うという,期待効用関数では得られない性質がもたらされることを明示的に示すことができた.この結果は学会の参加者間でも大きな成果として評価され熱心に討論された.
この成果を踏まえて得られた実証研究も,既存研究では説明することが出来なかった米国の実質利子率に関する性質を説明することができ,大きな成果を得ることが出来た.今年度はビジネス研究科に移籍後新たな授業が増え準備に追われたことにより,学会での発表が限定的であった.今年度は海外での学会発表が一回のみという結果となったが,来年度も継続的に学会発表を続け,有名な雑誌に公刊されるようにしたいと考えている.

「雑誌」の部 「図書」の部
@ 論文題目 The Term Structure of Interest Rates in a Two-Good Consumption-Based CAPM @ 書名  
雑誌名 the 10th International Conference on Economics, Finance and Accounting(査読付学会) 論文名  
巻号   出版社  
発行年月 2013年5月 出版年月
ページ 44ページ ページ  
著者名 Ryoichi Ikeda, Yoske Igarashi 著者名
備考 要旨のみ掲載 備考  
A 論文題目   A 書名  
雑誌名   論文名  
巻号   出版社  
発行年月   出版年月  
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著者名   著者名  
備考   備考  
B 論文題目   B 書名  
雑誌名   論文名  
巻号   出版社  
発行年月   出版年月  
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著者名   著者名  
備考   備考