2013年度 パッヘ研究奨励金T-A-2(特定研究助成・一般)研究成果報告書

氏名 須藤 季夫 所属 総合政策学部総合政策学科
研究課題 中国の台頭をめぐるASEAN戦略の実証研究
研究実績の概要
 本研究の目的は、中国の台頭をめぐるASEAN戦略を二つの事例研究――東アジア・サミット(EAS)とASEANプラス3(APT)を通じて、その特徴と問題点を検証することである。具体的には、ポスト冷戦期における米中関係の新展開を受けて、途上国の機構であるASEANとその加盟国がどのように対外行動を決定し、自国の安全と地域の安定を確保しているのかを分析することである。この類似する二つの地域制度がなぜ結成され、どのような競合関係にあるのかを明らかにすることを目指した。特に、中国の台頭をめぐり東アジアのパワー構造が変容する中で、EASが中国主導のAPTを牽制する目的で結成されたことにより、両者は対抗関係にあると一般に理解されているが、近年の展開を考察することにより検証した。
 先行研究が少ないことから、基礎的資料の収集とその解析が不可欠であったため、具体的な1年間の活動内容として、まず春学期中に、EASとAPTに関するASEAN関係資料の収集と文献サーベイを行い、8月から9月にかけて、収集した資料の整理とこれまでの議論のまとめを行った。10月から12月にかけて、APTに関する事例研究の分析を完了させ、それらの論点をまとめることにより、初稿完成をめざした。ASEAN資料収集に関しては、千葉県幕張にあるアジア経済研究所が多くの関連資料を保有しているので、春学期と秋学期の2回訪問して文献調査を行った。同時に関係する研究者との意見交換を行いながら、議論を深めた。特に、夏休みに入り、フィリピン、ベトナムとタイで調査できたことは、議論の整理に大いに役立った。

研究結果:

 研究成果として、“米中関係の進展とASEANのヘッジング戦略” と題する論文を完成させた。その内容は、東アジアの新地域主義におけるASEAN戦略を検証したものであり、ASEANのヘッジング戦略の実態をAPTとEASの拮抗関係から分析した。この論文は2014年の早い段階での出版を目指しています。なお、一部関連成果として、2014年1月の『アカデミア』には、「ASEANレジーム形成の比較研究」を掲載し、2013年6月にバンゴクにて国際会議に参加し、同内容の発表を行った。
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