|
2013年度 パッヘ研究奨励金T-A-2(特定研究助成・一般)研究成果報告書 |
|
氏名 |
大庭 弘継 |
所属 |
総合政策学部総合政策学科 |
研究課題 |
人道的介入のモラル・アポリア-強力なPKOの現状と課題 |
|
研究実績の概要 |
|
民間人を救うという人道目的であっても、軍事介入は守るべき民間人をも犠牲にするという逆説を内在している。本研究は、人道的介入に内在する、救うべき人々を犠牲にするというモラル・アポリアを、国連PKOの実践を通じて明確化することを目的としていた。
具体的な研究経過としては、まずパッヘ研究奨励金に基づいた個人研究として本研究を進めると同時に、科研費を用いてコンゴ民主共和国で現地PKOの活動とコンゴ国民のPKOへの評価聞き取りといった現地調査を行い、貴重なインタビューを収集した。またモラル・アポリアをキータームとして、2013年8月に本学において研究会(社会倫理研究所主催)を開催し、研究の途中経過を報告した。さらに13年11月に日本平和学会の秋季研究集会「軍縮・安全保障」分科会において、統一テーマ:「平和を目指すうえでのモラル・アポリア――PKO、平和構築、核兵器廃絶」のもと、「平和維持のダブル・バインド――対立する二つの『民間人保護』」と題して、PKOにおける武力を用いた民間人保護規範と国際人道法が要求する武力を用いない民間人保護との規範対立を描き、ダブル・バインドとして定式化した。
以上をつうじて、本研究は国連PKOの正当性の矛盾とコンゴにおけるPKOの歴史的展開を描きだし、国連PKOが直面する道徳的なディレンマやパラドクスをアポリアとして明確化した。この研究成果により、国連PKOを含んだ人道的介入が、どの選択肢であっても必ず批判を受けるという性質を備えていること、しかしながら、ダブル・バインドにさらされていることを一般には認知されていないため、どの選択肢であっても誹りを免れないこと、人道的介入を実践するうえで、非人道性を受け入れる覚悟が必要であること、などを明らかにした。これらの研究成果は活字化され、報告者が編者を務める『国際政治のモラル・アポリア』に収録する論文「人道的介入:避けられない非人道性」(第1章、小松志朗氏との共著)として、来月刊行される。
|
|
|
|
「雑誌」の部 |
「図書」の部 |
@ |
論文題目 |
|
@ |
書名 |
『国際政治のモラル・アポリア:戦争/平和と揺らぐ倫理』高橋良輔 ・大庭弘継編 |
雑誌名 |
|
論文名 |
人道的介入 :避けられない非人道性 |
巻号 |
|
出版社 |
ナカニシヤ出版 |
発行年月 |
|
出版年月 |
2014年5月予定 |
ページ |
|
ページ |
pp.21-59 |
著者名 |
|
著者名 |
小松志朗 ・大庭弘継 |
備考 |
|
備考 |
第3校を提出 |
A |
論文題目 |
|
A |
書名 |
|
雑誌名 |
|
論文名 |
|
巻号 |
|
出版社 |
|
発行年月 |
|
出版年月 |
|
ページ |
|
ページ |
|
著者名 |
|
著者名 |
|
備考 |
|
備考 |
|
B |
論文題目 |
|
B |
書名 |
|
雑誌名 |
|
論文名 |
|
巻号 |
|
出版社 |
|
発行年月 |
|
出版年月 |
|
ページ |
|
ページ |
|
著者名 |
|
著者名 |
|
備考 |
|
備考 |
|