2013年度 パッヘ研究奨励金T-A-2(特定研究助成・一般)研究成果報告書

氏名 沢田 篤史 所属 情報理工学部ソフトウェア工学科
研究課題 マルチタッチインタフェースを用いたソフトウェアモデリングツールの研究
研究実績の概要
 本研究では,タブレットPCなどのマルチタッチデバイスを用いてソフトウェアモデリングを行うためのユーザインタフェースの基本方式を確立し,ソフトウェアの開発支援を行うことを目的として,ソフトウェアモデルに内在する意味制約とそれに依存する編集操作の関係について調査を行った.ソフトウェアを設計する工程では,ソフトウェアモデルと呼ぶ図式表現によって対象の概念構造や振舞いを記述する.これらを正確にしかも効率よく記述することは,開発対象であるソフトウェアの品質・納期・コストに多大な影響を与える.このソフトウェアモデリングという重要な工程を,コンピュータ入力のための新たなデバイスを有効に用いて支援するために,本課題では,UMLをはじめとする図式記法を用いるソフトウェアモデリングの作業を対象とし,記述対象であるソフトウェアモデルに何財する意味制約と,それを満たしながら編集操作する方式について,先行研究の調査を含めた研究と開発を実施した.
 具体的には,UML2.0版の仕様として記述されたメタモデルを詳細に調査することで,各UMLモデル図式に定義されている意味制約を列挙した.さらに,これらの意味制約を整理・分類することで,単なるグラフ図式に求められるそれとは異なり,各図式に特化した種類の意味制約が存在することを明らかにした.この成果を踏まえ,UMLによるソフトウェアモデリングのためのマルチタッチユーザインタフェースの操作プロセスを設計した.
 設計結果としてのマルチタッチユーザインタフェースは,同時に複数の手指を用いる操作であることから,並行システムとして取り扱うことができる.整合性を持ったユーザインタフェースであることを確認するための検証技術の基礎的成果を発表した.その他,サービス指向アーキテクチャやWeb情報システム設計のための研究成果を発表しているが,これらの成果は,本研究の提案するソフトウェアモデリング技術の応用先として利用可能である.
 これらの成果を通じ,ソフトウェアモデリングに特化したマルチタッチユーザインタフェースの構成法に関する基盤技術の一部が整備された.今後は,この基盤の上に具体的なユーザインタフェースを実装し,その有効性を評価・検討する必要があり,継続的に取り組んで行きたい.

「雑誌」の部 「図書」の部
@ 論文題目 コンパイル方式による高速軽量なXQuery問い合わせプログラム生成系の設計と実現 @ 書名  
雑誌名 コンピュータソフトウェア 論文名  
巻号 Vol. 30, No. 4 出版社  
発行年月 2013年11月 出版年月
ページ pp. 67-81 ページ  
著者名 蜂巣,野呂,沢田,張,吉田 著者名
備考   備考  
A 論文題目 コードクローンメトリクスの差異がfault-proneモジュール判別に与える影響 A 書名  
雑誌名 ウィンターワークショップ・イン・大洗論文集 論文名  
巻号 Vol. 2014 出版社  
発行年月 2014年1月 出版年月  
ページ pp. 111-112 ページ  
著者名 角田,梶村,亀井,沢田 著者名  
備考   備考  
B 論文題目 際どい実行順序を考慮した並行システム検証に関する考察 B 書名  
雑誌名 情報処理学会研究報告
組込みシステム研究会
論文名  
巻号 Vol. 2014-EMB-31, No. 8 出版社  
発行年月 2014年3月 出版年月  
ページ pp. 1-6 ページ  
著者名 張,沢田,野呂 著者名  
備考   備考  
C 論文題目 SOAアプリケーションプラットフォームのプロダクトライン化 C 書名  
雑誌名 情報処理学会研究報告
ソフトウェア工学研究会
論文名  
巻号 Vol. 2014-SE-183, No. 13 出版社  
発行年月 2014年3月 出版年月  
ページ pp. 1-8 ページ  
著者名 江坂,野呂,沢田 著者名  
備考   備考