2013年度 パッヘ研究奨励金T-A-2(特定研究助成・一般)研究成果報告書

氏名 市川 朗 所属 情報理工学部システム創成工学科
研究課題 パルス制御による楕円軌道上のフォーメーション
研究実績の概要
 人工衛星の相対運動方程式は、主衛星の軌道が円軌道であるか楕円軌道であるかによってそれぞれHill-Clohessy-Wiltshire (HCW)方程式(時不変系)、Tschauner-Hempel(TH)方程式(周期系)となる。TH方程式の周期解は、複雑な形状であるため、ミッションによりHCW方程式の楕円軌道のような単純な軌道へのフォーメーションが求められる。また、周期解の周期は、主衛星の軌道周期に一致するため、短時間のミッションには不都合となる。本研究では、パルス制御により軌道制御を行い、離散化システムに出力レギュレーション理論に基づくアクティブフォーメーションを提案し、周期の短い単純な形状の相対軌道へのフォーメーション理論を構築した。また、シミュレーションにより、その燃費の解析を行った。
その結果、出力レギュレーションにより通常のフォーメーションの結果が再現できること、アクティブフォーメーションでは、燃費が参照軌道の角速度とともに、増加すること、軌道維持の燃費は、フィードバックに依存しないことなどが明らかになった。この研究結果は、2013 Astrodynamics Specialist Conference (Hilton Head Island, South Carolina) で発表した。この制御理論は、Systems and Control誌に投稿中である。
出力レギュレーション理論に基づくアクティブフォーメーションは、太陽・地球・宇宙機の円制限3体問題へ拡張し、ラグランジュ点近傍のハロー軌道にそったフォーメーションの提案を行った。この研究では、第1周期目の軌道をハロー軌道(周期軌道)とみなし、その維持を可能とするフィードバック制御を確立した。フォーメーションの参照軌道は、その近傍の周期解とし、それを維持する制御法を提案した。数値シミュレーションにより、ハロー軌道から15km程度のフォーメーションでは、燃費を小さく抑えることができることを示した。この結果は、Journal of Guidance, Control, and Dynamicsに投稿中である。
さらに、この手法を楕円制限3体問題に拡張し、第5回 International Conference on Spacecraft Formation Flying Missions (Munich, 5/27-6/2)において発表した。
また、ポーランドの国際会議Stochastic Analysis and Control(5/5-5/11)では低燃費の制御法の基礎となった零エネルギー収束原点可制御性の応用をまとめて紹介した。

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@ 論文題目 Formation flying near the libration points in the elliptic restricted three-body problem @ 書名  
雑誌名 Proceedings of 5th SFFMT, CD 論文名  
巻号   出版社  
発行年月 2013.05.29 出版年月  
ページ 1433-1446 ページ  
著者名 M. Bando and A.Ichikawa 著者名  
備考   備考  
A 論文題目 Formation flying along an elliptic orbit by pulse control A 書名  
雑誌名 Proceedings of 2013 Astro- dynamics Specialist Conference CD 論文名  
巻号   出版社  
発行年月 2014.2 出版年月  
ページ   ページ  
著者名 M. Bando and A.Ichikawa 著者名  
備考   備考  
B 論文題目   B 書名  
雑誌名   論文名  
巻号   出版社  
発行年月   出版年月  
ページ   ページ  
著者名   著者名  
備考   備考