2013年度 パッヘ研究奨励金T-A-2(特定研究助成・一般)研究成果報告書

氏名 大石 泰章 所属 情報理工学部システム創成工学科
研究課題 多項式に基づくモデル予測制御器設計法の改良と解析
研究実績の概要
 モデル予測制御は最も実用化が進んでいる制御法の1つであるが,従来の制御器設計法は区分一次関数を使っており区分構造の計算に困難があった.これを受けて報告者は,多項式に基づくモデル予測制御器設計法を開発したが,本研究ではこの設計法の実用性を高めるべく以下の2つの研究を行った:
1. 多項式的モデル予測制御器設計法の計算量削減;
2. 多項式的モデル予測制御器設計法の実用性検証.
 
 「1.多項式的モデル予測制御器設計法の計算量削減」では,前年度に提案したものよりも計算量の小さい設計法を開発した.モデル予測制御器は状態変数の関数として得られるが,前年度は最適なモデル予測制御器との差の最大値を最小化することによって設計しており,計算量が大きいのが問題であった.これに対して,今年度は最適なモデル予測制御器との差の積分を最小化することによって,大きなサイズの複数の行列不等式を解かなくてすむようになり,計算量が削減できることを見出した.しかも制御問題が複雑であるほど,計算量削減の効果は大きくなる.また,最適なモデル予測制御器との差を目的関数にするのではなく,単に制御性能を目的関数とすれば,さらに行列不等式を削減できて計算量が小さくなることもわかった.
 
 「2.多項式的モデル予測制御器設計法の実用性検証」では,開発したモデル予測制御器設計法の実用性を検証するべく,数値実験を行い,従来の区分一次関数に基づく設計法との比較を行った.その結果,開発したモデル予測制御器設計法では,考える状態変数の範囲によっては解くべき行列不等式が悪条件になり,求解が正しく行えないことがわかった.そこで状態変数を変数変換してこの問題を解決することを考えた.また,従来の設計法を実装したMulti-Parametric Toolboxとの比較を行ったところ,開発した設計法の方が圧倒的に計算時間が長かった.しかし,比較に用いた制御問題は区分構造が単純なものに限られており,従来の設計法に有利な問題であった可能性があるため,引き続き調査が必要と考える.
 
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@ 論文題目 Polynomial design of model predictive controllers: simplified approaches @ 書名  
雑誌名 Proceedings of the 2013 SICE Annual Conference 論文名  
巻号   出版社  
発行年月 2013年9月 出版年月  
ページ pp. 235-240 ページ  
著者名 Y. Oishi 著者名  
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A 論文題目   A 書名  
雑誌名   論文名  
巻号   出版社  
発行年月   出版年月  
ページ   ページ  
著者名   著者名  
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B 論文題目   B 書名  
雑誌名   論文名  
巻号   出版社  
発行年月   出版年月  
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著者名   著者名  
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