2013年度 パッヘ研究奨励金T-A-2(特定研究助成・一般)研究成果報告書

氏名 河野 浩之 所属 理工学部システム創成工学科
研究課題 複数プロセスデータに対するアラインメントとプライバシー保護データマイニング
研究実績の概要
 本研究は,一般的な時系列データを対象に,データマイニングやプロセスマイニング研究において提案されている各種アルゴリズムに関してプライバシー保護技術の適用可能性の調査を目的としている.そこで,2013年度以前の研究成果ならびに研究動向,また,2012年度ならびに2013年度に学会発表ならびに学会参加により得られた知見に基づいて,プライバシー保護データマイニングの代表的モデルとデータ同定に関する研究調査を行った. また,単一プロセスから収集されたデータとして,阪神高速道路におけるパトロールカーによって収集した時系列データを用い,プライバシー保護データマイニング技術の適用可能性を検討した.
 次に,2013年度の研究成果は,「プローブカーによる交通データ測定の課題について ― 行動履歴データに対するプライバシー保護の観点から ―」(アカデミア南山大学紀要数理情報編,第14巻,2014年3月出版,1〜10ページ)としてまとめた.
  http://www.seto.nanzan-u.ac.jp/msie/nas/academia/vol_014pdf/14-028-037.pdf
 論文では,「適切なプライバシー保護制度の下で収集・蓄積されたデータベースに対し てプライバシー保護を行ったデータであっても,複数データベースに対するデータマイニングやデータ同定の技術を用いて処理する場合のデータや抽出ルールに関しては,再度,プライバシー保護を考えねばならない」ことを述べた.「特に,2003年5 月に個人情報保護法が制定されて以後,この種の位置情報を含む履歴データの収集技術や蓄積技術,さらに,データマイニング技術が飛躍的な進歩を遂げており,プライバシー保護を必要とするデータ処理技術を正しく把握する必要性が高い.すなわち,個々のデータベースにおいてプライバシー保護がなされていても,複数データベースの融合に対してプライバシー保護されるとは限らない.」ことが重要である.加えて,データに欠落があるレコードの統合やリンク解析 (Data Integration and Link Analysis) を対象とするデータ同定技術は,プライバシー保護技術の根幹となる匿名化,暗号化,ランダム化」と反する面に留意すべきである.そこで,プライバシーの観点からデータ処理におけるデータマイニングとデータ同定に関する技術を整理した.
 また,交通データウェアハウスに格納されている超音波感知器やプローブカーとしてのパトロールカーにより収集された交通データの融合によるデータ処理の可能性に関して論じた.
「雑誌」の部 「図書」の部
@ 論文題目 プローブカーによる交通データ測定の課題について ― 行動履歴データに対するプライバシー保護の観点から ― @ 書名  
雑誌名 アカデミア 南山大学紀要 数理情報編 論文名  
巻号 第14巻 出版社  
発行年月 2014年3月 出版年月  
ページ 1〜10ページ ページ  
著者名 河野浩之 著者名  
備考   備考  
A 論文題目   A 書名  
雑誌名   論文名  
巻号   出版社  
発行年月   出版年月  
ページ   ページ  
著者名   著者名  
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B 論文題目   B 書名  
雑誌名   論文名  
巻号   出版社  
発行年月   出版年月  
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著者名   著者名  
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