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多群の指数モデルにおいて、すべての母数に関しての多重比較法について論じた。はじめに、 指数分布に従う確率変数の上側確率と下側確率をカイ自乗分布の確率で表現するとともに、事象の同等性も述べ、多重比較法の理論を簡潔にするための表現を行った。この理論を基に、指数モデルに対して、カイ自乗分布の上側100α%点を使って正確なシングルステップの多重比較検定を構築することができることを示した。この場合、検出力の高い正確な手法も提案した。シングルステップのこの理論を使って更に検出力の高いマルチステップの閉検定手順を述べた。以上は小標本の理論である。大標本理論として、さらにシングルステップの漸近的な多重比較法を述べ、漸近的な閉検定手順として手順が楽な逐次棄却型検定を論じた。
逐次棄却型検定法の棄却域がシングルステップ法の棄却域を含んでいることが示せた。これにより、次の(i)から(iii)が解明できた。
(i) シングルステップ法よりも、逐次棄却型検定法の方が一様に検出力が高い。(ii) シングルステップ法で棄却されない帰無仮説も逐次棄却型検定法を使えば棄却されることがある。(iii) 逐次棄却型検定法で棄却されない帰無仮説は、シングルステップ法を使っても棄却されない。
(i)から(iii)の事実があるが、どのくらい逐次棄却型検定法がシングルステップ法よりも検出力が高いかを見るためにシミュレーションを行った。
多群の指数モデルにおいて、すべての平均相違のテューキー・クレーマー型、対照群との相違のダネット型の多重比較法についても論述した。統計量がF分布の上側100α%点を使って正確なシングルステップの多重比較検定を構築することができることを示した。この場合、検出力の高い正確な手法も提案した。シングルステップのこの理論を使って更に検出力の高いマルチステップの閉検定手順を述べた。以上は小標本の理論である。大標本理論として、シングルステップの漸近的な多重比較法を述べ、さらに検出力の高い漸近的な閉検定手順を論じた。さらに、どのくらい閉検定手順がシングルステップ法よりも検出力が高いかを見るためにシミュレーションを行った。
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