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2013年度 パッヘ研究奨励金T-A-2(特定研究助成・一般)研究成果報告書 |
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氏名 |
五島 敦子 |
所属 |
短期大学部英語科 |
研究課題 |
Engaged Universityに関する調査研究 |
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研究実績の概要 |
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本研究の目的は、知識基盤社会における大学の使命を探求するために、大学と地域を結ぶ新しい大学理念である Engaged Universityという概念枠組みを探求することにある。その方法として、カナダのサイモン・フレイザー大学(SFU)を事例として、その理念を達成するため経緯と具体的な地域連携事業を2013年8月5〜13日に訪問して調査した。サレー・キャンパスでは、Marie Schneider氏、Angela Flumerfelt氏、Shaheen Nanji氏、バンクーバー・キャンパスでは、Laurie Anderson氏にご協力いただいた。
SFUは、2011年に新しい戦略的ビジョンとして「エンゲージド・ユニバーシティ(Engaged University)」という概念を打ち出した。これにより、カナダで最も地域とのかかわりの深い研究大学となるという目標のもとで、全学的に地域連携が推奨されるようになった。サレー・キャンパスでは、移民の急増に対し、学生が移民子弟の家庭教師を務めることで高等教育進学率を高め、市民性(シティズンシップ)を獲得していく取り組みが展開されている。バンクーバー・キャンパスでは、都市再開発をめぐる階層間の対立に対し、対話と参加の場を住民に提供したり、学生が積極的に地域にかかわることで新しいコミュニティの形成を試みている。これらが可能になったのは、従前の地域連携事業を客観的基準に基づいて自己評価し、ターゲットを定めて戦略的にプログラムを組み立てているためである。企業や自治体との連携により、柔軟な資金を得ているところも大きい。SFUの場合は、学長の強いリーダーシップが推進力であるが、それを支えているのは、優れたプログラム・コーディネーターや経営管理能力に長けたディレクターである。
以上の調査から得られる示唆として、全学的に地域連携をすすめるために、まず、学長がリーダーシップを発揮し、学部横断型で地域と対話できるツールを開発することが有効といえよう。次に、強みと弱みを自己評価したうえで、特色を伸長するためのガバナンスの構築が肝要である。そのためには、地域連携に関するアセスメントの指標を開発する必要があり、それを担う専門職の配置が不可欠であることが指摘できよう。
なお、日本国内では、東京大学付属博物館および沖縄県立博物館で、大学と地域の連携による文化資源保護に関する調査研究を行ったが、十分な把握にはいたっていない。また、国際比較の観点からみると、SFUがモデルにしたオーストラリアおよびイギリスの調査も必要であることが明らかになった。これらについては、今後の課題としたい。
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「雑誌」の部 |
「図書」の部 |
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論文題目 |
知識基盤社会における大学と地域の関係―サイモン・フレイザー大学の戦略的ビジョンに注目して― |
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書名 |
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雑誌名 |
『アカデミア人文・自然科学編』南山大学 |
論文名 |
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巻号 |
第8号 |
出版社 |
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発行年月 |
2014年6月(刊行予定) |
出版年月 |
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ページ |
未定 |
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著者名 |
五島敦子 |
著者名 |
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備考 |
2014年6月頃予定 |
備考 |
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A |
論文題目 |
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A |
書名 |
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雑誌名 |
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論文名 |
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巻号 |
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発行年月 |
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著者名 |
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備考 |
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備考 |
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B |
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出版年月 |
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備考 |
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備考 |
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