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NANZAN English Pitch Arenaが開催されました!

2025.03.07

 南山大生が「人間の尊厳のために」と「グローバル」の視点から社会課題を解決する新しいビジネスアイデアを英語で発表するピッチコンテスト「NANZAN English Pitch Arena」が202531()、本学にて開催されました。
 多数の応募から選考を経て8チームが登壇し、審査員の皆様、スポンサー企業の皆様に加え、観覧者約30名が見守る中、それぞれ個性あふれるピッチを披露しました。


司会の平野裕加里さん

審査員の皆様

南山大学ならではのピッチコンテスト

 多くのピッチコンテストは、アイデアの独創性の他に、収益性や事業としての持続可能性などが重視されますが、本学でのピッチコンテストは一味違います。

 本学は"Hominis Dignitati(人間の尊厳のために)"を教育モットーとしており、アントレプレナーシップ教育においても、ただ挑戦する姿勢を育てるだけでなく、一人ひとりの尊厳を大切にする社会の実現に寄与する若者を育成することを目指しています。また、本学は伝統的に国際色豊かな教育を実践しており、国際性をアイデンティティとしています。
 この「人間の尊厳のために」と「グローバル」を軸にアントレプレナーシップを養成するプログラム「NANZAN SPARK」の一環として行われた「NANZAN English Pitch Arena」は、グローバルな視点から社会課題に対してアプローチすることを重視しています。

NANZAN SPARK|留学・国際交流

独創性あふれる学生らしいピッチ

 「孤独・孤立」「買い物弱者」「食品ロス」など、各チームがアプローチする社会課題はさまざま。本番に先立ち、スタートアップに携わる本学OBOGやビジネスパーソンらのメンタリングを受けたり英語ピッチトレーニングを受講したりするなど、入念な準備を進めました。本番では緊張も見られましたが、学生らしく元気よく工夫を凝らしたピッチは観る者を惹きつけ、ビジネスに精通した審査員の皆様からのQ&Aにも力がこもりました。

各チームのテーマ一覧(発表順)

チーム名 テーマ
Team ReNest 世界の買い物弱者を救う空き家を使った新しい食料アクセス網
FitWith 障がい者の運動不足を解消するサービス
G1 食品ロス削減と節約を両立させ、AIを活用し持続可能な未来を創るアプリ
SKK 全く新しいシェアハウスで繋ぐ、単身高齢者と養護施設出身の若者達
MetaLexis "Metalexis", an alert system to cope against misunderstandings in social platform
こたつラウンジ 大学生・大人のいつでも通える居場所づくり
DIA ホームステイならぬホームトラベルで地方創生
Glocal Kitchen 在日外国人と近隣住民がお互いを「知り合う」グローカル弁当

SPARK最優秀賞・経営共創基盤賞はFitWithに決定!

 審査員およびスポンサー企業様による厳正なる審査の結果、表彰結果は以下の通りとなりました。

賞名 チーム名
SPARK最優秀賞・経営共創基盤賞 FitWith
SPARK賞 DIA
あいち銀行賞 DIA
ICC・ビジネス留学IBP賞 MetaLexis
Global Women Fouders by ジュカジャパン賞 こたつラウンジ
新生紙パルプ商事賞 G1
大和グラビヤ賞 SKK
日本ウィメンリーダー協会賞 Team ReNest
名古屋銀行賞 Glocal Kitchen
三菱UFJ銀行賞 SKK

 SPARK最優秀賞・経営共創基盤賞を受賞したFitWithには、活動支援金50万円が贈られます。FitWithの代表者・総合政策学科1年の小代笑菜さんは、入学直後よりNanzan Business Builder Club: nBBc(起業部)に所属し、ビジネスに関わる活動に積極的に取り組んできました。日々、自分自身が不便に感じることや困りごとをメモに残しており、NANZAN English Pitch Arenaへの応募にあたり、そのストックから障がい者向け運動促進サービスのビジネスアイデアを考案したそうです。

 「他のチームのピッチが素晴らしかったので、自分のチームが呼ばれて率直にびっくりしました。スライド資料の構成や伝わりやすい英語など、特にこだわって頑張った部分を講評でお褒めいただきとても嬉しいです。」と受賞の喜びを語りました。さらに、「起業部がさらに盛り上がるよう、引き続き積極的に外に出て活動を続けていきたいです。また、さまざまな方にアドバイスを受けながら今回のビジネスアイデアを形にできるよう、取り組んでいきたいと思います。」と話し、今後の活動への決意を新たにしました。

審査員・副学長からのコメント

審査員代表 豊田 康一郎 様(株式会社経営共創基盤 共同経営者)

 今回の審査にあたり、重視したのは「課題設定」「リアリティ」「エコノミクス」です。
 課題設定については、グローバルでありつつ学生の皆さんが自分たちでオーナーシップを持って手触り感がある課題にフォーカスすることが、難しくも重要だったと思います。学生のうちにそういった課題に挑戦することで、社会に出てからより大きな課題の解決策を考えられるようになるのではないでしょうか。
 リアリティは、言い換えると想像力です。皆さんが考えたビジネスアイデアを明日から実践するとなったら、明日何をするか、3か月後どうなっているか、その時何が課題になっているか。アイデアを詰めれば詰めるほど、考えることはたくさんあります。この想像力は社会人としても非常に重要になります。
 エコノミクスについて、NANZAN English Pitch Arenaが社会課題に重きを置いているとはいえビジネスで課題解決をするなら事業のサステナビリティは無視できません。その塩梅を考えながらQ&Aでもその点を質問し、各チームの評価をしました。

 これらを軸に審査を進め、審査員一同、FitWithのピッチが特に優れていたと評価し、SPARK最優秀賞・経営共創基盤賞を決定しました。しかし他のチームもそれぞれ、課題として他者の苦しみに寄り添い、洞察し、解決のためのアイデアを考えられており、大変素晴らしかったです。登壇者の皆さん、この度はお疲れさまでした。

南山大学 グローバル化推進担当副学長 山岸 敬和 教授

 今日のNANZAN English Pitch Arenaに参加し、2つの意味で心が震えました。1つ目は、登壇した学生の成長っぷりです。準備を始めた段階から知っているので、今日緊張しながらも立派にピッチをし、審査員からの鋭い質問にも堂々と答える姿を見て、教員として嬉しく、この仕事をしていてよかったと感じる瞬間でもありました。2つ目は、教室がいっぱいになるほどたくさんの方にご来場いただき、中高生の方も含め一生懸命学生の発表を聞いていただけたことです。

 NANZAN English Pitch Arenaは昨年に続き2回目の開催でしたが、南山大学は、アカデミズムに実直に取り組んできた大学であることを誇りに思う反面、アントレプレナーシップ教育については後れを取ってきました。しかし本学のキサラ学長は、本学の新たな方針として、"3Ds"=Dignity(人間の尊厳の推進)、Diversity(多様性の重視)、Dialogue(対話の場づくりと実践)の実現を掲げ、社会のフィールドに出て学ぶことを奨励しており、このNANZAN English Pitch Arenaも"3Ds"への理解を深め実践する取り組みと言えるでしょう。ここ最近の国際社会は、"3Ds"が縮小しているように思います。こうした取り組みを通じ"3Ds"の大切さを理解した若者が、今後社会にその学びを還元することを切に願っています。

 本学の取り組みにご賛同いただける企業の皆様におかれましては、引き続きご支援・ご協力賜れますと幸いです。関わってくださった皆様、ありがとうございました。

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