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　国内最古の聖書は1871年刊ゴーブル（GOBLE, Jonathan, 1827-1896）訳の『摩太福音書』とされるが、N. ブラウン（BROWN, Nathan, 1807-1886）はその聖書翻訳の遺志を引き継いで聖書翻訳委員社中の一員として参画したのち、1880年には独自に口語、平仮名分かち書き文体の大衆向け『志無也久世無志與』を出版した。これが日本における最初の新約聖書の完訳と言われる。次いでホワイト（WHITE, William John, 1848-1901）が漢字まじりに改訂し、横浜浸礼教会版『新約全書』（1886）として刊行した。これをさらに川勝鉄弥（1850-1915）が総平仮名版として出版したのが本書である。

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