デジタルライブラリー 特殊コレクション
高田三郎典礼聖歌自筆譜
2017年11月1日
高田三郎(1913- 2000)は、日本の作曲家であり、自作を中心に指揮者としても活躍した。愛知県名古屋市出身、18歳まで名古屋で過ごし、幼少から近所のプロテスタント教会に通うが、40歳のときに洗礼を受けてカトリック信者となった。第2バチカン公会議(1962-1965)で成立した典礼憲章 (Sacrosanctum Concilium) に基づき、それまでラテン語で行われていたミサが各国語で行われることになったのに伴い、日本カトリック司教団の依頼で典礼聖歌の作曲に取り組んだ。グレゴリオ聖歌や日本古来の楽曲を研究しつつ、晩年まで多くの典礼聖歌を作曲した。1992年には「典礼聖歌の作曲を通して日本の風土への典礼の浸透に尽力した」として、バチカンより聖シルベストロ教皇騎士団勲章を授与された。1997年には日本エキュメニカル協会から「エキュメニカル功労者賞」を受賞している。
合唱の指揮者としても著名だった高田は、神言神学院(南山大学の設置母体である神言修道会が設立した神学校)の聖堂でミサの合唱指導を行っている。また、2005年に愛知万博(愛・地球博)のパートナーシップ事業として開催された「高田三郎作品による『ひたすらないのち 愛知演奏会』」の主催者に本学の所属する南山学園は名を連ねており、その際、本学の宗教教育委員会は演奏会の実行委員会事務局を務めた。このような機縁により自筆手稿譜が本学図書館へ寄贈された。
(参照:『カトリコス』No.19, 2004.10、No.25, 2010.11)
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