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南山大学図書館カトリック文庫講座「潜伏キリシタンからカトリック教徒への復活―『御水帳』にみられる日本人信徒指導者の役割とその変容―」
2018年10月22日
10月17日(水)R56教室にてカトリック文庫講座を開催しました。4回目となる今回は、はるばる長崎県北松浦郡小値賀町より平田賢明氏(小値賀町教育委員会・歴史民俗資料館学芸員)にお越しいただき、7月に世界文化遺産に登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の12の構成資産のひとつである小値賀町の「野崎島の集落跡」をご紹介いただくとともに、『野崎島瀬戸脇御水帳』に記載された信徒の洗礼記録の調査から見えてきたもの、また本学カトリック文庫に所蔵する『平戸御水帳』の価値や今後の課題についてお話いただきました。
野崎島の潜伏キリシタンは海上交通の守り神である沖ノ神嶋神社の氏子を装うことで在来宗教と並存しながら組織的に信仰を続けてきました。解禁後はカトリックへ復帰し、島には当時の信徒たちがお金を出し合って建てた旧野首教会が残されています。
いつの日か小値賀町に出かけて、信徒たちが暮らしたという集落跡に立ち、海からの風を感じながら当時の祈りの記憶を辿ってみたい、そんなことを感じさせてくれる時間でした。