図書館について 活動紹介
推薦図書トーク2024 第4回(5月9日開催)
2024年05月10日
法学部 法律学科 大山 徹 先生
『論考 大津事件』
南山大学ライネルス中央図書館では、NANTO ルームにて「推薦図書トーク(全17回シリーズ)」を開催しています。各学科の先生方から学生の皆さん宛に本を推薦していただき、その本の魅力や背景について直接語っていただく企画です。
第4回は、法学部 法律学科の大山 徹 先生に推薦図書をご紹介いただきました。
大山先生の推薦図書は、山中 敬一 著『論考 大津事件』です。
「大津事件」については、高校の歴史の授業等で聞いたことがあるのではないでしょうか。
1891年(明治24年)訪日中のロシア皇太子ニコライが、津田三蔵によって切りつけられ負傷した事件。ロシアとの関係悪化を苦慮した日本政府は犯人に日本の皇族に対する大逆罪(皇室罪)を適用して死刑にするよう圧力をかけたが、大審院長・児島惟謙(こじまこれかた)はこれに反対して津田に無期徒刑を言い渡し、司法権の独立を守った!
というものです。
当時の歴史的・政治的背景から、児島を神様としてだけ扱うのはどうだろうかと、様々な視点からの批判・評価があったことが紹介されました。
この本を通じて、現代に置き換えてどう考えるのかという点で、
・今後、判例を読む際も、関係する人にどのような背景があり、必ずしも中立ではなかったことを知る。
・法律と命令では、法律の方が上であることを自覚する。
ことが大切だというお話がありました。
法律学科長の菅原 真 先生からの補足や質問もあり、とても内容の濃いイベントとなりました。参加していたみなさんにも、先生方の想いが伝わったのではないでしょうか。
この本は絶版となっていますが、図書館に所蔵があります。ぜひ、この機会に読んでみてください。
------------------------------------------------------------------------------
■今回の推薦図書
『論考 大津事件』 山中敬一著(成文堂 1994年) 請求記号:326.2/261 資料ID :0702698 |
------------------------------------------------------------------------------
次回開催は 5/13 (月) 15:30 ~ 16:00 外国語学部 フランス学科 真野 倫平 先生です。
お楽しみに!