図書館について 活動紹介
推薦図書トーク2024 第9回(5月21日開催)
2024年05月22日
国際教養学部 国際教養学科 北村 雅則 先生
『節英のすすめ ―脱英語依存こそ国際化・グローバル化対応のカギ!―』
南山大学ライネルス中央図書館では、NANTO ルームにて「推薦図書トーク(全17回シリーズ)」を開催しています。各学科の先生方から学生の皆さん宛に本を推薦していただき、その本の魅力や背景について直接語っていただく企画です。
第9回は、国際教養学部 国際教養学科の 北村 雅則先生に推薦図書をご紹介いただきました。
北村先生の推薦図書は、木村護郎クリストフ 編著
『節英のすすめ ―脱英語依存こそ国際化・グローバル化対応のカギ!―』です。
国際性をアイデンディティとする本学だからこそ、あえて英語依存から逃れ、どういった目的で英語を学ぶのか、ということを考える一助とするためこの書を紹介してくださいました。
英語を学ぶ目的は人によって様々ですが、国際化・グローバル化が進む中、ますます英語が広く使われるようになった昨今だからこそ、英語と節度あるつきあい方をしていくことが、一人一人にとっても日本の社会にとっても有意義かつ重要である、ということが本書の中心となっています。
ところで、本書でいう「節英」とはどういうことでしょうか。英語教育は今、メリットばかり取り上げられていますが、そこに潜む問題点や英語を教えたり学んだりすることがどういう意味を持ち、自分や他人、または社会にどのような影響を及ぼすかということを考える姿勢こそ大切で、これを本書では「節英」と呼んでいます。
つまり、「節英」=自分の英語使用がどのような意味をもつか自覚して、節度をもって使うこと
節英五か条:1.何をしたいかを明確に
2.共通語(国際語)よりも現地語優先で
3.恥ずかしがらずに
4.他者の力を借りつつ
5.多様性を尊重する
今後英語がコミュニケーションツールとして一強となったとしても、それぞれの国の文化や生活と密着した言語はやはり必要で、その国で生活する以上、英語だけに依存することは問題があるといえます。現に、日本に在住する外国人の多くは日本社会になじむために日本語の習得を必要としています。ネイティブレベルの言語獲得が必ずしも必要ではなく、「やさしい日本語」を習得することでコミュニケーションをとりコミュニティの中に入ることが可能となります。英語だけでなくそれぞれの言語でコミュニケーションを取ることができる世界こそ多様性を尊重することになるのだと本書と先生ご自身の体験をもとに語ってくださいました。
今こそ、なぜ英語を学ぶのか、ということをもう一度考えながら英語と向きあった上で母語と向き合っていく必要性と、じっくりとこの書を読む価値を感じる時間となりました。
-------------------------------------------------------
■今回の推薦図書
節英のすすめ : 脱英語依存こそ国際化・グローバル化対応のカギ! |
-------------------------------------------------------
次回開催は 6/7 (金) 15:30 ~ 16:00 外国語学部 英米学科の森山 貴仁 先生です。
お楽しみに!