図書館について 活動紹介
推薦図書トーク2024 第10回(6月7日開催)
2024年06月10日
外国語学部 英米学科 森山 貴仁 先生
『Empire of Direct Mail: How Conservative Marketing
Persuaded Voters and Transformed the Grassroots』
南山大学ライネルス中央図書館では、NANTO ルームにて「推薦図書トーク(全17回シリーズ)」を開催しています。各学科の先生方から学生の皆さん宛に本を推薦していただき、その本の魅力や背景について直接語っていただく企画です。
第10回は、外国語学部 英米学科 森山 貴仁先生に推薦図書をご紹介いただきました。
森山先生の推薦図書は、ご自身の著書
『Empire of Direct Mail: How Conservative Marketing
Persuaded Voters and Transformed the Grassroots』です。
推薦図書を紹介するにあたり、他の先生から「せっかく自分が書いた本があるのだから、それを紹介した方がいい」という声を受け、ご自身の著書を選んでくださいました。森山先生の研究内容をまとめた本であり、著者から直接解説を聞くことができる貴重な機会となりました。
先生は、アメリカのメディア[ダイレクトメール(以下DM)・個人ターゲティング広告]と政治の研究をしていらっしゃいます。
「DM」というと、日本ではお店・製品などの宣伝が一般的ですが、アメリカでは候補者への投票を呼びかけるツールとして「政治的」にDMが利用されました。
1960年~1970年の保守的な時代に、DMの活用を始めたのがリチャード・ヴィグリーです。彼は、膨大な量の名簿・情報を蓄積し、「どの地域にどのようなメッセージのDMを出したら効果的か」という戦略を立て、その仕組みを確立させました。
「今の現状に満足していますか?」というように、不安や怒りを煽るメッセージを使用し、無党派層の獲得に繋げたそうです。DMという、一通一通の草の根活動が、世論を動かす大きなうねりとなることを知りました。
先生は、この本で、第28回清水博賞という賞を受賞されています。(アメリカ学会で若手研究者が最初に発表した研究成果の中から、特に優れた作品に授与される賞) 先生の研究にご興味を持った方は、この機会にぜひ読んでみてください。
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■今回の推薦図書
Empire of Direct Mail: How Conservative Marketing 著者名 : Takahito Moriyama ※オンラインでも読むことができます。 |
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次回開催は 6/12 (水)13:00~13:30 理工学部 機械システム工学科 潮 俊光 先生です。
お楽しみに!