図書館について 活動紹介
推薦図書トーク2024 第11回(6月12日開催)
2024年06月13日
理工学部 機械システム工学科 潮 俊光 先生
『経済数学入門の入門』
南山大学ライネルス中央図書館では、NANTO ルームにて「推薦図書トーク(全17回シリーズ)」を開催しています。各学科の先生方から学生の皆さん宛に本を推薦していただき、その本の魅力や背景について直接語っていただく企画です。
第11回は、理工学部 機械システム工学科 潮 俊光先生に推薦図書をご紹介いただきました。
潮先生の推薦図書は『経済数学入門の入門』です。
潮先生は理工学部の先生ですが、「経済学と工学で、同じ数学理論が使われている。この本は、数学と経済とを対比しながらわかりやすく解説している」として、この本を紹介してくださいました。
「入門の入門」というキャッチーなタイトルの通り、本に出てくる例えも「コーヒー・ケーキを食べた時の満足度」など親しみやすいものになっています。イベント中には先生が本を参加者に回覧し、学生が興味深く読んでいる様子が見られました。
数理経済学の歴史にも触れ、サミュエルソンやノイマンなどの学者が紹介されましたが、『徒然草』の中にもすごろくに関する記載があり、ゲーム理論であるといっても過言ではないと思うというお話が印象的でした。13世紀の日本で、ゲーム理論に繋がる記述があったというのはロマンではないでしょうか。
・1次関数・2次関数という中学・高校で習った数学が経済の分析に役立つ
・経済学における「限界」という概念を、微分を使えば説明できる
ことが紹介されました。
質疑応答では、以下のやり取りがありました。
■学生:「この本の内容がほとんど理解できないと思うが、その場合はどうしたら良いか?」
〇潮先生:「まずは、この本の中で紹介されている本や参考文献を読んでみてください。
様々な本を読んでみて、その中から自分に合うものを探すとよい。」
■学生:「数学を避けてきたので、社会と数学に親和性があることをもっと早く知っていればよかった。」
〇潮先生:「数学そのものを理解しようとするよりも、やりたいことや目的があって数学を道具として使う方が良い。この本は、数学をどう使うのかという大切さを示してくれる。」
潮先生の推薦図書の紹介文には「数学が好きな人が経済学に関心を持つきっかけに、経済に関心をもつ人が数学の必要性を知るきっかけに、そして、数学を敬遠してきた人が数学を身近に感じるきっかけになればと思っています。」と書かれており、その想いが伝わる質疑応答でした。
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■今回の推薦図書
著者名 : 田中 久稔 請求記号: 081K/2356-3/v.1707 資料ID : 1196721 |
この本の中で紹介されている本のリスト(図書館所蔵分)はこちら
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次回開催は 6/20 (木)11:00~11:30 外国語学部 アジア学科 江口 伸吾 先生です。
お楽しみに!