図書館について 活動紹介
推薦図書トーク2024 第13回(6月21日開催)
2024年06月17日
人文学部 日本文化学科 上田 崇仁 先生
『クラスメイトは外国人(入門編)はじめて学ぶ多文化共生』
南山大学ライネルス中央図書館では、NANTO ルームにて「推薦図書トーク(全17回シリーズ)」を開催しています。各学科の先生方から学生の皆さん宛に本を推薦していただき、その本の魅力や背景について直接語っていただく企画です。
第13回は、人文学部 日本文化学科 上田 崇仁先生に推薦図書をご紹介いただきました。
上田先生の推薦図書は『クラスメイトは外国人(入門編)はじめて学ぶ多文化共生』です。
現在、日本には外国にルーツを持つ子供たちがたくさんいます。特に愛知県は、ものづくりに携わる外国人労働者の家族の数がずば抜けており、彼らの多くはポルトガル語・中国語・フィリピン語を母語とし「英語だけではコミュミケーションができない」という問題が起こっています。
「英語ではコミュミケーションができなから英語は必要ない」というわけではありません。日本語からダイレクトに各言語に変換することは難しいけれど、日本語から英語、英語から各言語、というように英語を仲介媒体として変換するためにも、英語を学ぶことは必要だということも、理解することができました。
この本では、中学校を舞台にして様々な事例が紹介されています。彼らの問題は、言語だけではなく、宗教上の理由による給食の問題など、様々な場面で文化的な背景による問題があることを知りました。
彼らに対する対応は、文化や文化的な背景を知っているかどうかで変わってきます。知らなければ問題が生じるまで動けないけれど、知っていれば事前に問題が起きないように対応をすることができます。そのためにも、文化を理解し、文化に関する知識を深め、想像力を持つことが大切だと感じることができました。
この本のタイトルにもある「多文化共生」とは、「違いを認める」ことだという先生のお言葉に感銘を受けました。違いを知り、背景を知り、「落としどころ」を考えることが必要だという点が印象的でした。
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■今回の推薦図書
著者名 :「外国につながる子どもたちの物語」編集委員会 請求記号: 334.4K/919 資料ID : 1199829 |
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今後の開催予定は、
6/25 (火) 12:50 ~ 13:20 総合政策学部 総合政策学科 佐藤 創 先生
6/25 (火) 15:30 ~ 16:00 人文学部 人類文化学科 石川 岳彦 先生
です。お楽しみに!