図書館について 活動紹介
「ブックトークおすすめの一冊 」人文学部 日本文化学科 平子 達也 先生
2025年05月22日
第1回:2025年5月21日(水)12:55~13:25
人文学部 日本文化学科 平子 達也 先生
平子達也・五十嵐陽介・トマ ペラール著『日本語・琉球諸語による歴史比較言語学』
「歴史比較言語学のススメ」として、言語学・国語学を専門とされる先生ご自身の著書をご紹介いただきました。複数の言語を、その共通の祖先にあたる言語(祖語)からどのように変化していったのかを推定することで、歴史的関係を明らかにしようとする「歴史比較言語学」に関する一冊です。日本語と琉球諸語(奄美語や与那国語など)を取り上げた新しい試みが記されています。
大学院生の教科書として取り上げるにも読み応えのある本とのことで「歴史比較言語学とは?」という基礎の基礎から、じっくりとお話ししていただきました。NANTOルームは平子先生のユーモアを交えたトークに笑い声が響き、先生の現在の研究フィールドのご紹介や参加者との質疑応答もあり、短時間にも関わらず、とても楽しく濃密な時間を共有する空間となりました。
「音の規則的な対応がないと系統関係にあるとは言えない」という音対応のお話は印象的で、全員が大変興味深く聞き入っていました。参加者の皆さんも、多様性を理解する知性、思い込みを見抜く教養、ことばを等しく見るまなざしを身につけたいと、感銘を受けたのではないでしょうか。この本が新たな研究者の参入を促し、研究が地域に還元できればというお言葉に、平子先生の研究者としての真摯な姿勢を垣間見たように思います。
先生のご活躍と、次の一冊が楽しみになる、そんなブックトークでした。
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■おすすめの一冊
『日本語・琉球諸語による歴史比較言語学』 平子達也[ほか] 著 (岩波書店 2024年)
請求記号:801||7758
資料ID:1242446
※トークで取り上げられた先生の恩師の一人である吉田和彦氏の著作も展示台にあります。
『言語を復元する:比較言語学の世界』 吉田和彦 著(筑摩書房 2024年)
請求記号:081K||2446||v.0-1683
資料ID:1245651
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