図書館について 所蔵資料紹介
【その他の個別貴重資料】『Cyclopædia, or an Universal Dictionary of arts and sciences(チェンバーズ百科事典)』(貴重書)
書名等 | Cyclopædia : or, an universal dictionary of arts and sciences / by E. Chambers |
出版事項 | London : Printed for James & John Knapton ... [et al.] , 1728 |
ページ数・大きさ | 2 v. ; (some folded) : ill. ; 41 cm. (Fol.) |
請求番号 | 033W||1||v.1, 2 |
イギリスのイーフレイム・チェンバーズ(CHAMBERS, Ephraim, 1680?-1740)により編纂され、1728年に出版された全2巻の百科事典、初版である。18世紀から19世紀にかけて各国で代表的な百科事典が編纂・刊行されているが、その近代的事典の先駆けとして挙げられるのが本書となる。好評につき刷りを重ね、のちに他者により改訂版も出されて、各国語への翻訳も企画されている。そのうちフランス語版の刊行はとん挫したものの、最終的には有名なフランスの『百科全書』(Encyclopédie, ou Dictionnaire raisonné des sciences, des arts et des métiers)として結実しており、本書を手本につくられたとも言われている。また、現代百科事典のはしりである『ブリタニカ百科事典』(Encyclopædia Britannica, or, A dictionary of arts and sciences, compiled upon a new plan)にも大きな影響を与えている。
本書は『サイクロペディア、または諸芸諸学の百科事典』などと直訳されるとおり、「芸術や技術、...各種科学における用語の定義と...説明が含まれており、...。全体が古代と現代の学問のコースとして意図されている」とE.チェンバーズ自身によりタイトルページで述べられている内容となる。また、すべての知識をアルファベット順の大項目としてまとめ、系統的に記述されているが、人名と地名は採録されていない。とはいえ、各記事をつなぐための相互参照や、知識を各部門に分けてリスト化した目次に相当するものなど、現代に続く工夫が随所に見られる。
なお、本書は19世紀に出版された『チェンバーズ百科事典』(Chambers's Encyclopaedia, 1860-1868)とは異なる別物である。
【参考文献】
- ジャパンナレッジLib(電子リソース)収録『世界大百科事典』『日本大百科全書』など