カトリック文庫展示企画「キリスト教と印刷・出版文化点描」
11月度 展示エリア企画のご報告
11月5日(水)~12月7日(日) 1F展示エリアにて、カトリック文庫講座の連携企画展示「キリスト教と印刷・出版文化点描」を開催しました。
活版印刷の歴史をひもとけば、キリスト教の歴史と密接にかかわることがわかります。今回は、それぞれの時代を代表する資料を展示することで、通史のように紹介するのではなく、歴史を点描することを試みました。
たとえば、『倫理神学大全』は、グーテンベルクによる活版印刷発明以降の最初期15世紀後半の版本(インキュナブラ)として希少価値があります。『日本殉教精華』や『日本教会史』は、日本における禁教・弾圧の250年を示す海外の資料としてよく知られています。また、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」のユネスコ世界文化遺産登録に間接的に役立つこととなった『平戸御水帳』は、わが国近代活版印刷の先駆者と言われる本木昌造の活字とされるもので、活版印刷史上、大変貴重なものです。その他、ヘボン式ローマ字で知られるヘボンが手掛けたローマ字版の和訳聖書も珍しいものです。
さらに、資料そのものを紹介するだけでなく執筆や出版などに携わった人物に光を当ててみました。このことで、従来の展示とは異なる奥行きと広がりを感じ取っていただけたのではないかと思います。
また、12月6日(土)にはカトリック文庫講座も開催されました。
奈良女子大学教授の鈴木広光氏による「印刷史から観た 19 世紀キリスト教宣教資料」というタイトルで、展示資料とも密接にかかわるお話を伺いました。
今回の展示資料(サブテーマ別)
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No |
サブテーマ |
展示資料 |
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1 |
活版印刷技術の夜明け前 |
『シナイ写本(ファクシミリ版)』(2010) |
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2 |
ヨーロッパにおける活版印刷事始め |
『グーテンベルク42行聖書(復刻版)』(1985) |
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3 |
手描き写本から活版印刷へ |
『倫理神学大全』([Antony Coburger], 1477-78) |
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4 |
忽然と現れ消えた活版印刷術 |
『どちりいな・きりしたん』(1978) |
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5 |
禁教、弾圧の250年 |
カルディン『日本殉教精華』(1646) |
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6 |
日本におけるキリスト教印刷文化の復活① |
『平戸御水帳』([1878-1884]) |
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7 |
日本におけるキリスト教印刷文化の復活② |
『聖教初學要理』(1872) |
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8 |
日本における近代印刷の幕開け |
プロテスタント版ヘボン訳 |
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9 |
花開く近代出版文化 |
『無原罪の聖母の騎士』(昭和5年創刊) |
12月度 展示エリア企画のお知らせ
12月8日(月)からは、大学院生交流イベント有志団体Orbisによる展示企画「WELCOME TO OUR BOOK CORNER」を開催します。
展示資料には大学院生や先生方それぞれのコメントがついています。大学院生が普段どんな本を読んでいるのか、ぜひ見に来てください。
展示期間:2025年12月8日(月)~2026年1月7日(水)